文献詳細
薬の臨床
婦人の自律神経失調症候群に対するRo 5-3350の臨床治験
著者: 山田光興1 中野栄喜1 川田肇1 五十嵐辰博1
所属機関: 1金沢大学医学部産科婦人科学教室
ページ範囲:P.575 - P.580
文献概要
本疾患の治療は大別して薬物療法と精神療法とに分けられ,前者はさらにホルモン療法と向精神薬療法が主流をなしている。精神療法は患者の精神状態の分析など特殊技能を要し,わが領域では一部で行なわれているに過ぎず一般的とは言えない。内分泌失調があると思われる患者に対ししばしばホルモン療法が行なわれるが,赤須1)がすでに警告しているように本療法の乱用は癌誘発,男性化徴候の出現および消褪出血として認められる内分泌環境変調の増強などをきたす懸念があり,他方西田2)は更年期障害患者の中に更年期前より継続している自律神経症(Vegetose)などの混在する場合があり,これらの患者に対するホルモン療法の不適なることを指摘している。
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