icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科25巻7号

1971年07月発行

文献概要

統計

子宮外妊娠の統計的考察

著者: 岩崎寛和1 小菅興正1 野秋善嗣1

所属機関: 1横浜市立大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.719 - P.728

文献購入ページに移動
はじめに
 子宮外妊娠(外妊と略す)は卵巣および腹膜妊娠を含めて卵管妊娠の別名のように考えられているが,正式には異所的妊娠(ectopic pregnancy,Ektopische Schwangerschaft)の意味であつて,近年報告が増加しつつある頸管妊娠もこの範疇に入るが,本統計では卵管妊娠に限定した。外妊は産婦人科診療の中では典型的な急性腹症であり,数も多く,種々の非定型的病態を示す場合もしばしばなので,診断ならびに治療に関する報告は無数に近く,そのすべてを網羅するのは容易なわざではない。本特集は外妊の本態究明に関する最近の進歩もさることながら,むしろ実地臨床に重点がおかれているので,外妊の診療に際して知つていると役立つと思われるような統計の主要なものを拾つて集録してみた。
 臨床統計というものは,一見あるがままの姿を表現しているように考えられがちであるが,実際は統計処理が報告者の主観によつてもかなり修復されるし,各種の医学的ないしは社会的要因に制約されて,必らずしも真の実態を示しているとは限らないから,読者は統計数値の裏にかくされたそれらの要因にまで深い洞察をおよぼして頂きたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?