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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科26巻1号

1972年01月発行

文献概要

特集 流早産の治療--最近の焦点

流早産のホルモン療法とその有効性

著者: 高木繁夫1 津端捷夫1 久保田実良1 栃木秀麿1 前田勇1

所属機関: 1日本大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.17 - P.23

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はじめに
 元来流早産のホルモン療法は,妊娠初期流産にみる一部の着床不全の刺激療法を除くと,その多くは補充療法が主体をなすものと考えられている。このことは妊娠時黄体の剔除によつて流産する動物種属においては,これがprogesterone投与によつて防止されるとすることにある。またヒトの流早産例では,しばしば尿中,血中ホルモン量の低下をみることも少なくない。しかし臨床的には,この内分泌学的動態異常をそれの原因とみなすか結果とみなすか,その評価や解釈をめぐつて論議が多い。さらに,progesteroneその他のpro—gestinsによる生児の獲得率(fetal sulvage rate)について2盲検法その他の判定法によつても,その効果に対してなお定説がみられぬ状況である。すなわち流早産は,その原因が複雑しているため,これをprospectiveに究明して,その目的に適つた対策をたて,治療を行なうことは容易でない。したがつてそれの有効性についての評価は慎重を要する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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