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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科26巻10号

1972年10月発行

文献概要

臨床メモ

初乳中の免疫抗体

著者: 竹内久弥1

所属機関: 1順天堂大学産婦人科

ページ範囲:P.910 - P.910

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 母乳を与えることのメリットについては,便利さ,哺乳の際の消化管への細菌汚染の少ないこと,母児間の心理的つながりなどがいわれ,さらに母から児への抗体移行による利益も良く引合いに出されるところである。この抗体はとくに初乳中に多量に含まれており,したがつて初乳から与えねば抗体移行の効果を望めないことになる。ところで初乳中にある免疫抗体にはどのようなものがあるのであろうか。
 Michael,J.G.ら(J.Infect.Dis.124:445,1971)によれば初乳中の免疫グロブリンにはIgAが多く,これらの免疫グロブリンは新生児の腸壁から循環血中には入つていかない。そこで,彼らはこれが腸内細菌相におよぼす影響を糞便からしらべて見た。その結果,大腸菌属は人工栄養児の糞便中に多く,その差は生後2〜3日に最大で,4日目には少なくなる。好気性および嫌気性乳酸菌属は逆に母乳栄養児に多い。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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