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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科26巻11号

1972年11月発行

文献概要

臨床メモ

経口避妊薬服用中の妊娠

著者: 竹内久弥1

所属機関: 1順天堂大学産婦人科

ページ範囲:P.974 - P.974

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 避妊効果のみをもつてすれは,経口避妊は現在利用し得るもつとも優秀な一時的避妊法ということができる。しかし,経口避妊薬服用中といえども妊娠の起こることは皆無ではなく,その理由の第1は "のみ忘れ"であり,第2は薬剤の種類と量によつては効果が劣ることにある。
 スウェーデンでは1968年中に起こつた経口避妊薬服用中妊娠を医師に届出させ,これを解析したが,その結果をM.Rutensköld (ActaObst.& Gynec. Scandinav.50:203,1971)が報告している。それによると,1968年中に報告された妊娠例は90例で,そのうちsequentialtypeの薬剤服用中が73例,combinedtypeが17例であつた。これら2つのtypeの薬剤のそれぞれにも多くの種類があるが,同一type薬剤の妊娠率には差はなく,type別の差は大きい。すなわち,その1年間にcombined typeは約400万周期分使用され,sequential typeは19万周期分服用されたに過ぎないが,妊娠率はその逆で,前者が0.005に対し,後者は0.467と計算されるという。sequential type はcombined typeの100倍の危険性を持つことになる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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