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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科26巻11号

1972年11月発行

薬の臨床

更年期および閉経期婦人のOvapause療法

著者: 森憲正1 水元淳一1 宮川勇生1 市丸俊三1

所属機関: 1熊本大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.1019 - P.1023

文献概要

 加齢により生体の変化は自然の現象としておこつてくるものであるが,女性では卵巣機能の衰退によつて特有の著明な変化がみられ,性成熟期から更年期,閉経期が区分され,老齢期への移行期とされている。老齢人口の増加は社会的に種々の問題を提起しているが,医学的には性成熟期以降の最大の関心事は悪性腫瘍や心血管系の疾患である。これらについで更年期や閉経期婦人を悩ませるものは更年期にみられる不定愁訴や卵巣ホルモン欠乏による症状である。これらの疾患に対して卵巣ホルモンの投与は合理的とも考えられるが,生体変化の過程からみれば自然に反するものとも考えられて熟慮を要する問題である。この点からもホルモンを卵巣からの分泌型で投与するより,もし有効であるなら,その代謝型で投与することも一方法と考えられる。estriolはclassicestrogenの一つであり,他のestradiolとestroneの代謝型であるが,弱いながらも生物作用を有していて,実地臨床上既に種々の疾患に使用されている2,4,6,9)。Ovapauseは1錠中estriol 1mgを含有している。今回オルガノン社より本剤の提供をうけ,更年期および閉経期婦人に試用したのでその成績を報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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