icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科26巻12号

1972年12月発行

特集 産婦人科の治療その限界と展望

日常臨床上よくぶつかる頑症疾患の治療の限界 婦人科

月経前症候群

著者: 高山忠夫1

所属機関: 1高山医院

ページ範囲:P.1093 - P.1095

文献概要

 月経前症候群が一つのclinical entityとして記録されたのは,1931年,FrankがArch, Neurol,Psychiat,の誌上に"Premenstrual tension"という題で報告したのが最初である1)。この論文の中では15例の症例が報告されているが,精神科医である彼は,まず精神科的治療を試み,その効果に限界があることを知り,さらに本症候群の背景には,内分泌学的な機序が関与していることをみとめ,この方向からの治療を試みている。
 もちろん1930年代の内分泌学的検査法は,まだ不完全なものであり,その成績は信憑性に乏しいが,それでも,彼は尿中のホルモンを測定し,これら症例では,"female sex hormone"(mouseuterine unitで表現してある)の尿中排泄が少く,血中に蓄積するために本症がおこるのではないかとのべている。この考えは最近の研究で明らかにされた事実とは異るが,いずれにしろ,本症が単なる神経症,心身症的なものではないことを明らかにした点で意義が深い。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら