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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科26巻12号

1972年12月発行

文献概要

特集 産婦人科の治療その限界と展望 日常臨床上よくぶつかる頑症疾患の治療の限界 婦人科

更年期障害

著者: 森一郎1

所属機関: 1鹿児島大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.1097 - P.1099

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 婦人では,成熟期から老年期への移行期,いわゆる更年期という生理的過程で,女性としての主役を演ずる性腺機能が一般に急激に衰退しがちであるので,ほとんどのものが心身に失調を感ずるようになる。だが多くのものはこれに堪え日常の生活をしている。ところがなかには,日常の生活に堪えられなくなり,医治を乞うようになるものもある。われわれは,この後者の,失調のひどいものを更年期障害と考えている。
 すなわち本症は,病因があるのではなく,一種の適応不全といつてもよいものであるから,治療としては,よほどひどい症状の場合でも,対症療法で症状を緩和させ,時間を待てば,そのうち自然に軽快するもので,治りにくいとか,あるいは治療に限界があるとか,そのような難症の概念に本質的にはいれられるべきものではないと考えている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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