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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科26巻3号

1972年03月発行

薬の臨床

子宮内容除去術のドロペリドール・ケタラール麻酔法について

著者: 横田晃和1 平川方久1 後藤勇1 中山善友1 小坂二度見1

所属機関: 1岡山大学医学部麻酔学教室

ページ範囲:P.273 - P.283

文献概要

緒 言
 従来より産婦人科外来における子宮内容除去術の麻酔に静脈麻酔剤として超短時間作用のバルビタール剤(Thiopentalなど)が一般に広く使用されているが,この薬剤は鎮痛効果は弱いにもかかわらず呼吸・循環系の抑制作用が強く,また喉頭痙攣や気管支痙攣を起こしやすいためぜん息や気管支炎などの患者には禁忌とされていることなど,種々の欠点を有している。これら欠点のない新しい薬剤の開発が望まれてきたが,最近塩酸ケタミン(ケタラール)という鎮痛作用が強力で,しかも呼吸・循環系の抑制がほとんどなく,気管支痙攣も起こさないとされている新しい静脈麻酔剤が登場し,これまでのバルビタール剤よりもはるかに危険性が少ないものとして注目を浴びるようになつた1)〜3)
 しかるにこのケタラールも臨床使用の結果やはり問題になるのは,麻酔後覚醒時の異常興奮,見当識異常,精神的錯乱をはじめ悪心・嘔吐など,いわゆる覚醒反応と呼ばれるものが高頻度に発現することである。特に本手術の患者では覚醒反応のうち恐迫観念にさいなまれる悪夢を訴えるものが多く3),術後もそれをよく記憶しているので,この覚醒反応は特に一般医家の臨床使用上では大きな障害である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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