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臨床メモ
経口避妊薬服用中止後の続発性無月経
著者: 竹内久弥1
所属機関: 1順天堂大学産婦人科
ページ範囲:P.435 - P.435
文献購入ページに移動 わが国では未許可の経口避妊薬を実際に服用している婦人は現在かなりの数に達すると考えられ,同時にわれわれもこれに伴なう種々の異常に遭遇する機会が増えてきている。専門医の指導の下に服用している者はよいが,勝手に服用し,しかもそのことを申し出ずに受診するため混乱を招く場合のあることも事実である。
経口避妊薬服用中止後のfollow—UPは種々の面から多くの検討がこれまでになされており,今回はそのうち長期間にわたる続発性無月経についての最新の統計をオーストラリアのShearman (Lancet 2:64,1971)の報告から見てみたい。彼は経口避妊薬服用中止後12ヵ月以上の続発性無月経患者69例を観察,治療したが,このような長期にわたる続発性無月経は経口避妊薬服用者のほぼ1%に起こると見てよいという。もちろん,これらの患者には他の器質的疾患,とくに腫瘍はなく,ただし2例の早発閉経(服用前からの)と思われる例のあつたことに注意せねばならない。また,galactorrheaが11例あつたが下垂体腫瘍はなかつた。全例の約3分の2は服用前の月経周期が規則的であつたといい,服用期間や薬剤の種類と無月経の起こり方には特別の関係は認められないという。ゴナドロピン刺激テストによる卵巣機能検査の結果には一定の傾向が認められていない。
経口避妊薬服用中止後のfollow—UPは種々の面から多くの検討がこれまでになされており,今回はそのうち長期間にわたる続発性無月経についての最新の統計をオーストラリアのShearman (Lancet 2:64,1971)の報告から見てみたい。彼は経口避妊薬服用中止後12ヵ月以上の続発性無月経患者69例を観察,治療したが,このような長期にわたる続発性無月経は経口避妊薬服用者のほぼ1%に起こると見てよいという。もちろん,これらの患者には他の器質的疾患,とくに腫瘍はなく,ただし2例の早発閉経(服用前からの)と思われる例のあつたことに注意せねばならない。また,galactorrheaが11例あつたが下垂体腫瘍はなかつた。全例の約3分の2は服用前の月経周期が規則的であつたといい,服用期間や薬剤の種類と無月経の起こり方には特別の関係は認められないという。ゴナドロピン刺激テストによる卵巣機能検査の結果には一定の傾向が認められていない。
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