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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科26巻6号

1972年06月発行

カラーグラフ 臨床家のための病理学・5

外陰部疾患・Ⅳ

著者: 滝一郎1

所属機関: 1九州大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.476 - P.477

文献概要

 外陰部に発生する嚢胞性腫瘤には,非腫瘍性,炎症性,腫瘍性のものを含めて,表皮嚢胞,毛髪嚢胞(pilonidal, cyst),脂腺嚢胞(sebaceous cyst),Fox-Fordyce病,汗腺腫の一部,汗管腫(syringoma),バルトリン腺嚢胞,同膿瘍,スキーン腺嚢胞,子宮内膜症,副乳腺嚢胞などがある。バルトリン腺嚢胞,膿瘍以外は稀である。
 表皮嚢胞と脂腺嚢胞の内壁はともに重層桶平上皮でおおわれ,内容はチーズ様である。また外観上区別し難い。主として大陰唇に発生し,多発することが多く,発育は遅く,球状で,無痛性である。大部分は0.5cm以内である。従来脂腺嚢胞(閉塞した毛嚢—脂線管に生ずるとされている)と称されたもののほとんどが表皮嚢胞と同一の組織像であり,前者は後者に属するとの説が有力である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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