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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科26巻6号

1972年06月発行

特集 新生児の救急対策

小児外科的奇形にともなう救急処置

著者: 植田隆1

所属機関: 1大阪市立小児保健センター小児外科

ページ範囲:P.499 - P.504

文献概要

I.内臓脱出症
 "臍帯ヘルニア"とも称するが,名称は統一されていない。欧米でも,"Omphalocele","Exom—phalos","Umbilical eventration","NabelschnürBruch"などと呼ばれる。近年嚢の破れた内臓脱出症(Omphalocele)と,初めから嚢の存在しないGast—roschisis (ガストロスキージス,先天性腹壁披裂)とを区別するようになり,両者は成因が別で臨床的にも一見して鑑別できるようになるとともに,この種の奇形の発生論がさらに詳細に解明されつつあり,これに伴い名称はさらに複雑化してきている。例えば,Duhamelは胎生学的研究から,①upper celosomia,②middle celosomia,③lowercelosomia④gastroschisisと分類しており,腹壁欠損部位と成因論の立場から非常にすぐれた分類であり,すぐれた名称と思うが,未だ一般に広く馴染まれていない。ここでは発生論と病型分類に詳細に立ちいることを避け,純臨床的な治療面だけを平易に解説することにする。図1〜3にみられるように,臍部を中心に腹壁欠損が存し,この部分に内臓が脱出している。
 通常は薄い膜を被つており,内容が透視できる。この膜に臍常が附着している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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