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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科26巻7号

1972年07月発行

連載講座 麻酔の実際

婦人科麻酔・1—局所麻酔剤による全身反応とその処置

著者: 鈴木太12

所属機関: 1日本大学 2駿河台日本大学病院麻酔科

ページ範囲:P.626 - P.627

文献概要

 5回にわたつて婦人科の麻酔について講座を書くよう依頼された。しかし一般的な麻酔法については麻酔学の教科書を読めば足りる。そこで婦人科医にとつて日常の臨床でしばしば問題となるところであるにもかかわらず案外よく知られていない事柄の幾つかを取りあげ,それらについて必要な実際的な麻酔科学的知識を述べてみたい。
 局所麻酔剤による全身反応は大別して2つの種類がある。1つは麻酔剤が吸収あるいは血管中に誤つて注入されたために起こる全身の中毒反応であり,もう1つは局所麻酔剤に対する個体のアレルギー反応によつて起こるアナフイラキシーショックである。局所麻酔剤を用いた麻酔,ことに脊椎麻酔や硬膜外麻酔の際に全身的な異常反応を起こすと,よく患者の特異体質とかアレルギー反応ということで片づけられることが多いが,事実はそのほとんどの例は局所麻酔剤がなんらかの原因により血中に入りこんだために起こつた単純な中毒反応かあるいは硬膜外麻酔の時に誤つて,くも膜下ブロックになつてしまつたりするような手技上の誤りによる全身反応である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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