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特集 症状からつかむ私の治療指針 産科
妊娠悪阻
著者: 荒井清1 矢内原巧1 冲永荘一1
所属機関: 1帝京大産婦人科
ページ範囲:P.932 - P.933
文献購入ページに移動本症の原因は未だ不明である。神経症の患者に妊娠初期に頑固な嘔吐がしばしばみられ,機能的に神経系統に障害がある場合,妊娠が本人にとつて望ましくない場合,出産に対する恐怖,性に対する嫌悪などが意識的または無意識に嘔吐の原因となり得ることはしばしば指摘されている。暗示療法がよく効果をおさめることより悪心嘔吐などは精神身体的要因に帰するとも考えられている。また絨毛性ゴナドトロピン分泌曲線が本症と平行しており,このゴナドトロピン分泌の多い胞状奇胎妊娠の場合に症状が強いことよりホルモン過剰分泌が木症の原因であるといわれている。その他,原因として免疫学的反応説,ビタミン失調説,副腎機能不全説などがある。
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