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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科27巻11号

1973年11月発行

文献概要

特集 症状からつかむ私の治療指針 産科

妊娠時の腹部緊満感

著者: 松浦俊平1

所属機関: 1京大産婦人科

ページ範囲:P.946 - P.947

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 妊婦が腹部緊満感を訴える場合,子宮収縮,腹腔または子宮内容の急速な膨大,あるいは腹膜刺激症状などの理由が考えうる。最も多いのは,妊娠子宮筋の興奮性亢進によつて起こる子宮収縮を緊満と感ずる場合で,すでに妊娠の早期からみられ,妊娠末期には頻発して著明となる。収縮は間歇的で不規則であり,身体の安静によつてほとんどが自然に消失する。
 時おり,妊娠時の胃,腸管,膀胱などの緊張性低下から,便秘による鼓腸や尿停滞による膀胱の充満を腹部の緊満感として訴える場合もみられるが,これらも適当な摂生,看護を適用することによつて消褪する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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