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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科27巻11号

1973年11月発行

特集 症状からつかむ私の治療指針

産科

胎盤遺残

著者: 相馬広明1

所属機関: 1東京医大産婦人科

ページ範囲:P.972 - P.974

文献概要

I.疾患別
 分娩第3期に胎盤の娩出が遅延するという状態で見られる胎盤残留と,分娩あるいは流産後日を経てなお出血が続き胎盤の遺残が認められる場合とがある。前者では通常胎盤が子宮から剥離して子宮下部に下降しているのに,そのまま残留する型と,あるいは胎盤の形態異常,例えば分裂胎盤などがあつて,一部剥離しても他の部分が剥離しえない状態での癒着胎盤がある。後者ではもしも胎盤の一部のみ剥離せずに遺残すれば,胎盤ポリープという形で遺残して成長している場合が生れる。その他胎盤の一部遺残と卵膜遺残があり,それに感染の伴なう場合も見られる。その大きな原因としては,子宮—胎盤間の接合部位の異常に基づくことが多いので,時には症状も軽度で,用手剥離や掻爬によつて容易に遺残胎盤を除去できる場合と,反対に出血が執拗に反復持続して,子宮摘出にふみ切らねばならない場合が生ずる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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