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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科27巻11号

1973年11月発行

特集 症状からつかむ私の治療指針

産科

子宮内反症

著者: 尾島信夫1

所属機関: 1国際聖母病院産婦人科

ページ範囲:P.977 - P.978

文献概要

 症状 胎児娩出後多くは2時間以内に(胎盤娩出前のこともある)強い出血と激痛を伴つて腟外あるいは腔内に肉塊様腫瘤があらわれ,重症なショックを呈するのが急性産褥性子宮内反症acute puerperal inversion ofthe uterusである。子宮の弛緩が起こつていたり,子宮底に胎盤が附着していたり,後産期の不当な子宮底への圧迫や臍帯の牽引が発生要因となる。
 診断 診断がおくれるほど予後が悪くなる。膀胱を空虚にしても恥骨結合上に子宮体を触れえぬことがきめ手。直ちに腟鏡診をして子宮体が裏がえしになつてとび出していることを確認すること。胎盤がまだ附着していることもあり,有茎の粘膜下筋腫だけ脱出していることもあるし,筋腫に伴つて子宮が内反していることもあるから注意のこと。本来の外子宮口のみを残してあとはすつかり裏がえしになつている(完)全内反症もあれば頸管は残つて子宮底部のみが裏がえしになつている部分性内反もある。腟壁まですつかりとび出している総内反症total inversionもある。開腹しないとみえないが輪状に残つた子宮頸の部分が内反漏斗inversionsfunnelをつくり,卵管・円靱帯等が左右からその漏斗の中に種々な程度にのみ込まれたようになつている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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