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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科27巻11号

1973年11月発行

文献概要

特集 症状からつかむ私の治療指針 新生児

分娩麻痺

著者: 島田信宏1

所属機関: 1北里大学産婦人科

ページ範囲:P.999 - P.1001

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I.上肢の麻痺
 新生児の正常の肢位は,仰臥位にて四肢屈曲位をとり,左右各半身が対称的であり,活発な運動性を有しているのが特徴である。それなのに片側性に上肢といつても,本当は肩関節が主として麻痺している場合がある。図1のように,麻痺した上肢は伸展位をとり,拇指を中ににぎりしめ,手掌を内側から外側へねじつたように前膊を内転している。これが分娩麻痺のなかで最も多い上位型上腕神経叢麻痺,brachial palsy,upper typeであり,俗にErb’s palsyとよばれているものである。
 このErb’s palsyの新生児は,肩関節を動かすことができないので,患側はモロー,ペレー各神経反射は欠如する。また,手指は麻痺していないので,手指のにぎる力は十分にあるのも特徴である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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