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特集 腫瘍と免疫
文献概要
I.細胞性免疫とMIT
最近,細胞性免疫という言葉は日常的なものになりつつあるが,その本態に関して,いまだ不明の点が多く,これを厳密に定義づけることは困難である。一般的には,細胞自体が免疫反応の主役を演ずる,すなわち,免疫反応が細胞自身(小リンパ球といわれている)によつて行なわれ,抗体を血清中に証明することが困難な現象を細胞性免疫と定義し,実際上,細胞の抗体様の働きを検出して細胞性抗体の存在を推定しているわけである。これに属するものとして,遅延型アレルギー反応,同種移植免疫,ある種の感染症,腫瘍免疫などがあげられる(表11)を参照)。次に,この細胞性抗体の検出法をin vivo, in vitroにわけてそれぞれの方法を列挙すると表2のごとくである。従来より,in vivoの方法としては遅延型皮内反応,感作リンパ球様細胞によるアレルギー受身伝達法が最も良く用いられてきたが,アレルギー反応の発現機構を明らかにする上で,in vitroの検出法が検討されてきた。マクロファージ遊走阻止試験(Macrophage Migration Inhibition Test-MIT)は,in vitroにおける検出法の一つで,George &Vaughan2)により遅延型アレルギー反応をin vitroで調べるために開発されたものであり,細胞性免疫を良く反映するといわれている。
最近,細胞性免疫という言葉は日常的なものになりつつあるが,その本態に関して,いまだ不明の点が多く,これを厳密に定義づけることは困難である。一般的には,細胞自体が免疫反応の主役を演ずる,すなわち,免疫反応が細胞自身(小リンパ球といわれている)によつて行なわれ,抗体を血清中に証明することが困難な現象を細胞性免疫と定義し,実際上,細胞の抗体様の働きを検出して細胞性抗体の存在を推定しているわけである。これに属するものとして,遅延型アレルギー反応,同種移植免疫,ある種の感染症,腫瘍免疫などがあげられる(表11)を参照)。次に,この細胞性抗体の検出法をin vivo, in vitroにわけてそれぞれの方法を列挙すると表2のごとくである。従来より,in vivoの方法としては遅延型皮内反応,感作リンパ球様細胞によるアレルギー受身伝達法が最も良く用いられてきたが,アレルギー反応の発現機構を明らかにする上で,in vitroの検出法が検討されてきた。マクロファージ遊走阻止試験(Macrophage Migration Inhibition Test-MIT)は,in vitroにおける検出法の一つで,George &Vaughan2)により遅延型アレルギー反応をin vitroで調べるために開発されたものであり,細胞性免疫を良く反映するといわれている。
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