文献詳細
研究
抗体感作血球凝集反応系による尿中HCGおよびLH測定法
著者: 三宅侃1 谷沢修1 角田真紀子1 衣笠隆之1 南川淳之祐1 正田常雄1 山地建二1 青野敏博1 倉智敬一1
所属機関: 1大阪大学医学部産科婦人科学教室
ページ範囲:P.1071 - P.1076
文献概要
さてHCGの測定が生物学的測定法(bioassay)により行なわれていた1930〜1960年にはその手技の繁雑さから充分な定量測定の臨床応用はほとんど不可能であつたが,1960年Wideら1), Brodyら2)により免疫学的測定法(immunoassay)が導入されて以来,その実施はきわめて容易となり産婦人科診療上不可欠の検査法の一つとなつてきた。しかしながら従来のHCG感作ヒツジ赤血球凝集阻止反応系(HAIR)によるHCG測定法は測定感度の点では約1,000IU/Lが限界であり,さらに低濃度のHCG測定を必要とする胞状奇胎流産後の管理などに際しては,isotopeを使用するradioimmunoassay(RIA)によらざるを得なかつた。したがつて一般の臨床病院施設においては,アイソトープを使用せずに簡単に実施できるような低単位HCG測定法の開発が切に望まれていた。今回こうした点を目的とした新しい抗HCG抗体感作血球凝集反応系(HAR)試薬HIGO—NAVISが開発されたので,その感度,特異性,臨床応用などについて検討し若干の成績を得たので報告する。
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