文献詳細
特集 痛みの本態と治療
文献概要
1.痛みということ
痛みといつても,その内容は多彩である。多くの場合は器質的障害を背景にした身体像について観察され記載されるのであるが,器質的変化が把握されなくとも,痛いと訴えられれば,これも痛みであり,こうした場合はpsychogenic painとかmental painとして,起因不明のまま,ときには「気のせいですよ」として片付けられてしまう。しかし,成因がつかめないといつても,観察する立場角度をかえてみると,しばしぼ理解しうる場合も少くないことがある。傷害があつても,痛いと訴えられなければ,傷害像が痛かろうとみられても痛みではない。
かように,痛みは個体の体験内容であつて,痛いという言語表現以外には痛みの指標となる単独の生体現象はなく,訴えとともに現われる身体現象とを総括して判断しているにすぎない。
痛みといつても,その内容は多彩である。多くの場合は器質的障害を背景にした身体像について観察され記載されるのであるが,器質的変化が把握されなくとも,痛いと訴えられれば,これも痛みであり,こうした場合はpsychogenic painとかmental painとして,起因不明のまま,ときには「気のせいですよ」として片付けられてしまう。しかし,成因がつかめないといつても,観察する立場角度をかえてみると,しばしぼ理解しうる場合も少くないことがある。傷害があつても,痛いと訴えられなければ,傷害像が痛かろうとみられても痛みではない。
かように,痛みは個体の体験内容であつて,痛いという言語表現以外には痛みの指標となる単独の生体現象はなく,訴えとともに現われる身体現象とを総括して判断しているにすぎない。
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