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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科27巻2号

1973年02月発行

文献概要

特集 痛みの本態と治療

頭痛—産婦人科領域における問題点

著者: 稲葉穰1

所属機関: 1東京医科歯科大学脳神経外科

ページ範囲:P.119 - P.124

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 産婦人科医の取扱う患者が,頭痛を訴えるとき,その頭痛が産婦人科疾患と直接関連するものと,別個の疾患の共存によるものとが考えられる。両者の鑑別は必ずしも容易ではないが,まず前者について,その主要点を把握していることが必要であり,後者については,脳神経外科・神経内科の専門医の検診を依頼するのがよい。したがつて,下記に述べる諸項に該当する時はおのおのに応じた診療方針をとることができるが,判然としない場合には,当然専門医の検診を急ぐべきである。
 頭痛は髄膜の化学的刺激によつて生じる場合,頭蓋内圧亢進による場合,頭皮の動脈の拡張による場合にわけて考えることができる。髄膜炎やクモ膜下出血の場合は髄膜刺激によるもので,激烈な頭痛をおこす。脳腫瘍や頭蓋内血腫のさいの頭痛は頭蓋内圧亢進によるもので,一般に進行性の経過をもつ。片頭痛や血管性頭痛といわれるものは,概して発作的であつて,種々の間歇期をおいて反復されるものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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