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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科27巻2号

1973年02月発行

特集 痛みの本態と治療

腰痛

著者: 山口義臣1

所属機関: 1東邦大学整形外科学教室

ページ範囲:P.125 - P.131

文献概要

 腰痛はその大部分のものがなんらかのかたちで椎間板の変性に関係がある。この10数年間の椎間板に関する基礎的,臨床的知見によつて軟骨瘤の有無にかかわらず,臨床的に腰痛があり,椎間板に変性が見られるものを椎間板症と呼ばれる病態に包括する傾向がある。これはミエログラフィーを用いた時代には椎間板の椎管内膨隆の有無によつて診断の根拠としていたが,ディスコグラフィーの採用によつて椎間板の描写が容易となり(図1),その変性の程度が比較的容易に把握できるために,腫瘤の存在のいかんにかかわらずその変性像をつかむことが可能になつたためである。
 腰痛をおこす主因は椎間板の変性によるものが多いことはたしかであるが,その変性は椎間板に加えられる外的なストレスを無視するわけにはいかない。現代では人類が歩く生活から坐る生活へ変りつつあり,この生活様式の変化が腰痛の発生に大きく影響していることは否めないであろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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