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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科27巻5号

1973年05月発行

薬の臨床

制癌剤PC-B−45に関する研究(第3報)—PC-B−45による治療により特異な経過をたどつた女性性器癌の2例

著者: 舘野政也1 大志摩敦朗1 舌野徹1 杉田直道1

所属機関: 1富山県立中央病院産婦人科

ページ範囲:P.451 - P.458

文献概要

緒論
 子宮頸癌や卵巣癌の治療に当つては,その進行期によつて治療法が異ることは申すまでもない。しかし,高度の進行期癌で癌性腹膜炎あるいは,癌性胸膜炎を併発している場合には,もはや,局所の疾患ではなく,全身性疾患のために,その治療はもちろんのこと手術療法や放射線療法の対象とはならず,やむをえず,制癌剤をその治療の主役として選ばざるを得ない現状である。最近制癌剤の進歩もめさましいものがあるが,しかし未だ根治療法としてとりあげるにはほど遠い感がある。今回,われわれは卵巣癌から癌性胸膜炎,腹膜炎に進行し,治療に困難を感じたが,PC-B−45の使用により一時的ではあるが軽快をみた2例を経験したので,その臨床経過について検討を加えてみたいと思う。
 なお,本剤の使用は今回が初めてではなく,すでに本剤の製剤学的賢項ならびにその臨床効果について,第1報本誌2)および第2報産婦人科の世界3)に発表している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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