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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科27巻9号

1973年09月発行

カラーグラフ 臨床家のための病理学・19

子宮疾患・Ⅹ

著者: 滝一郎1

所属機関: 1九州大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.710 - P.711

文献概要

 子宮内膜増殖症,endometrial hyperplasiaは,エストロゲン持続投与,内因性エストロゲンの持続刺激を招く内分泌変調下(多嚢胞卵巣症候群,エストロゲン産生性卵巣腫瘍,初経前後,閉経前後など)に好発すること,また同様な内分泌変調下に好発する子宮内膜癌の発生と密接な関係があることが知られている。わが国においては,両疾患とも発生頻度が低いので,臨床的な関心も強くない。しかし,長期のホルモン投与を行なう時には,かならず考慮に入れるのが常識で,実際には,子宮内膜の細細診と組織診を行なえば済むことである。
 内膜増殖症は,嚢胞性増殖(cystic hyperplasia)と腺腫様増殖(adenomatous hyper—plasia)に分類される。両者は混在することが多い。前者では腺の内腔が拡大し,Swisscheese patternをとる。後者では腺が密集し,間質に乏しい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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