icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科27巻9号

1973年09月発行

特集 産婦人科プリンシプル

産科編

母児相関—胎児・胎盤系

著者: 高木繁夫1 吉田孝雄1

所属機関: 1日本大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.731 - P.735

文献概要

 排卵によつて形成される卵巣黄体は,受精着床などの妊娠の成立,維持に与かり,やがてそれの内分泌活動の主役を胎盤に移譲する。かくして,胎盤も妊娠の維持,妊娠時の特異代謝の内因に関連するための活動を積極的に営む一方,胎児の物質代謝,ガス代謝などにも関係をもつ多彩な機能を展開していく。しかし,この胎盤機能をホルモンの生成代謝よりみると必ずしもその機能は完全なものでなく,特にステロイドの生成代謝においては不完全といわざるをえない。したがつて,これを補うために,母体の内分泌器官や胎児の内分泌器官が有機的に結合して1つの機能環を形成し,これによつてその目的を完遂するものとみなされる。すなわち胎盤を中心とした母児相関の立場よりすると,ステロイドホルモンの生成代謝の面において最も強い相関性を認めることになる。そこで本稿では,母児相関の立場より,妊娠時のステロイドホルモン生成代謝の機構を解説し,あわせてそれの調節因子の1つとなる蛋白ホルモンの意義についても概要を述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら