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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科28巻1号

1974年01月発行

特集 胎児死亡

胎児死亡の診断—とくに妊娠後半期におけるAntepartum Fetal Deathについて

著者: 竹村晃1 市位光1

所属機関: 1大阪大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.19 - P.27

文献概要

 一般に,「胎児死亡(fetal death)」とは,いつたん胎児生存が確診せられた後において,その死を意味するものと考えられるが,fetusがembryoをも含んだ在胎期間中の全ての生命体であるとすると,流産(abortion,同児abortus)や,死産(stillbirth,同児stillborn infant)の意味する所との差異が必ずしも明確ではなくなる。最近の米国産婦人科学会用語集1)によるとabortusとは500グラム以下(在胎139日,満20週未満)の死産児(stillborn infant)を意味し,Fetal death is thecessation of fetal life before termination of thepregnancy.となつている。
 したがつて,超音波ドプラ法やUCG (Ultra—sonocardiography)法によつて,妊娠3ヵ月後半(満10週)以降,胎児生存の確診が臨床的に可能となつた今日では,妊娠4〜5ヵ月の胎児死亡も,比較的しばしば経験されるようになつた。が,これはそのまま,妊娠の確診法とその鑑別診断法そのものであるので,別稿2,3,4)を参照していただくことにし,本稿では,主として妊娠6ヵ月以降における胎児死亡の診断についてふれることにしたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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