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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科28巻1号

1974年01月発行

特集 胎児死亡

胎内死亡児の処置と母体のケア

著者: 森一郎1 森田尚武1 丸田茂徳1 滝井清子1

所属機関: 1鹿児島大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.29 - P.34

文献概要

 胎内死亡児の処置は,かつては,胎児は死亡すれば異物となるから,自然に陣痛が発来するのを待つという通念のため,胎児の死亡が確定してから長時日後にこれが行なわれたり,またこのような例では,児を望むものの多いことと,胎児の死亡について直ちに決定的な診断を下す方法があまりなかつたため,経過の観察に時日がかかり,胎児の死亡が確定して直ちに処置を行なつても,胎児の死亡後かなり時日を経ていることが多かつた。
 ところが最近では,胎内死亡についての診断法の進歩や,子宮内に死児が長期間稽留するような場合には低線維素原血症(DIC)が起こりやすいということなどから,なるだけ早く胎児の死亡を確定し,直ちに処置して母体の万全をはかる,すなわち安全確実な胎児娩出術を行なうことが一般的になつている。しかし,胎児の死亡の確認については妊娠初期でなお問題点があるし,また胎児娩出術は,妊娠月数により一応方法論があるものの,胎児が死亡するような例では母体に合併症も多いので,必ずしもこれらを画一的に行なうわけにはなかなかゆかない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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