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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科28巻11号

1974年11月発行

指標

産婦人科と栄養—とくにエネルギーと蛋白質

著者: 古谷博1

所属機関: 1順天堂大学産婦人科学教室

ページ範囲:P.723 - P.732

文献概要

 栄養がわれわれの健康に密接に関係することはよく知られていることで,これは食物で身体を養うという意味をもつている。一般に生物が生長発育,活動,繁殖という働きをするとき,これに必要な物質を体外からとり入れ,それを身体を構成する成分の材料とし,化学的変化によつて必要なエネルギーを産生している。この意味から,栄養を理解するには,正常あるいは病的状態における身体内の代謝過程が明らかにされなければならない。食は生命維持の基本であると同時に,食品としての社会的,経済的,文化的意義ももつている。したがつて産婦人科の栄養は,ただ婦人の性機能,生殖生理,あるいはその病的状態における食品の代謝過程などに関連するばかりでなく,ひろく人間を生殖作用からみた場合の環境や行動の問題にまで広いかかわりあいをもつているといえよう。したがつて栄養とはいわゆる食事学的な食品の選択や献立作成というせまい範囲のものでないことはいうまでもない。
 栄養学は広い意味での生理学の一部であり,産婦人科の栄養は,婦人の生殖生理と生殖生化学,また種々の疾病における体内物質代謝の知識の上に立脚するものであり,その婦人が生活している社会とも密接な関連があるといえよう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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