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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科28巻2号

1974年02月発行

カラーグラフ 臨床家のための病理学・23

卵管の疾患・Ⅱ

著者: 滝一郎1

所属機関: 1九州大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.90 - P.91

文献概要

 卵管の疾患のうち最も重要なものとして炎症性病変を前号て供覧した。今回は卵管妊娠について一考してみたい。子宮外妊娠の95%を占め,産科的要因による母体死亡率の2〜3%にあたる卵管妊娠は,依然として産婦人科臨床上の大きい対象である。その原因として抗生物質などにより姑息的に治療された骨盤炎pelvic inflammationが一役を演じていると考えられている。
 卵管妊娠は,①卵管間質部,②卵管峡部,③卵管膨大部,④卵管采部のいずれにでも発生するが,経験的には,④が最も多く,①が最も少い。妊娠成立の初期には,絨毛細胞が増殖してHCGを分泌し,妊娠黄体が発育してプロゲステロンの分泌も高まり,子宮体の増大,軟化,子宮内膜の脱落膜化など,正規の妊娠初期と同様な現象が起こるが,妊娠3ヵ月の終りまでに大部分が中絶する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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