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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科28巻2号

1974年02月発行

原著

広汎性子宮全摘術における骨盤神経の生体染色について

著者: 植田国昭1 松田昭夫1 貝原学1 安井洋1

所属機関: 1長野赤十字病院産婦人科

ページ範囲:P.161 - P.163

文献概要

子宮頸癌の根治手術においては,術式の広汎性のために必然的に膀胱麻痺が起こり,これは生命を救う代償として不可避的なものと考えられていた。小林隆は術式のこの矛盾に対して積極的な解決法を試み,骨盤神経の温存法を発表し,この方法が5年治癒成績に影響しないことを報告した1〜4)。その後さらに神経根幹部のみでなく,骨盤神経が直腸側に達した後,旁腟結合織を通つて膀胱壁に分布する経路を追求して,この末梢部分も分離保存する方法が発表されている3〜10)。(小林,坂元,松沢)
 著者らは骨盤神経の保存のためには,これを術中に染色すれば一層明確になるものと考えていたが,たまたま文献により外科では胃切除の際に,迷走神経をleuco—methylene blue (以下LMB)で染色すれば,これを容易に確認できることを知り11),1972年7月より広汎全摘に応用することを試みた。広汎全摘で神経の染色に応用したのは,許と小玉12)の報告があるが臨床成績は示されていない。1973年著者らと五十嵐は各々別個に,この染色法の臨床成績を同一学会で発表した15)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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