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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科28巻3号

1974年03月発行

カラーグラフ 臨床家のための病理学・24

卵管の疾患・Ⅲ

著者: 滝一郎1

所属機関: 1九州大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.182 - P.183

文献概要

 卵管の腫瘍には,良性のものとして筋腫,線維腫を始め諸種が記載されているがきわめて稀である。同じく稀であるが悪性腫瘍の方が多い。悪性腫瘍では転移性,連続性に蔓延した続発性癌が多い。原発性卵管癌は少く,性器悪性腫瘍の1〜0.1%に当る。
 原発性卵管癌は中年以降の婦人に発生し,一側性あるいは両側性で,卵管の外1/2部に多く,卵管は腫瘍により閉塞され,腫大して,ソーセージ様になり,卵管溜膿腫に似る。症状として水様性血性帯下をみることがあるが,かなり進行して下腹痛,腰痛などを訴え,腫瘤が触知されるまで気づかれないことが多い。進行した状態でも,しばしば卵巣腫瘍などと誤診される。細胞診(腟プール,頸管,子宮腔内吸引)で癌細胞が発見され,生検は陰性である場合には,卵管(卵巣)の腫瘍を疑つて精査するのがよい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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