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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科28巻3号

1974年03月発行

文献概要

私の治療

児頭嵌入時(CPD)の帝切について

著者: 宮内茂樹1

所属機関: 1青森市民病院

ページ範囲:P.193 - P.193

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 分娩時のCPDについては,分娩を取扱う産科医にとつては,一大関心事である。すなわち,CPDについては,成書によれば,Seitz法陽性,X線計測,試験分娩(その停止の限界は,初産,経産を問わず,陣痛が整調であつて,子宮口は全開大し破水後も児頭が固定せず,また児頭が固定してもその後,児頭が骨盤の同一箇所から下降停止が2時間を超える状態とす…(鈴村))などと記載されているが,実際問題として,臨床上,産道深く児頭の嵌入してのCPDの帝切に苦労を経験しない産科医はいないと思う。換言すれば,やつと児頭固定,陣痛が正調であるが,それ以後の児頭の下行停止の場合の帝切は,子宮体部の帝切も考えられるが,次回妊娠,分娩,手術切創の延長なども考え,頸部横切開を選びたいのは人情である。その場合,子宮に切創を加えてから助産婦などに,経腟的に押し上げさせ術者の手掌で深く嵌入した児頭を静かに掬い上げるようにしても,その子宮切創の自然的な延長により思わぬ出血,児頭娩出の困難さと当該部位の縫合時の困難さを経験することが,しばしばである。かかる場合,筆者は術者の1人が,子宮頸部切開直前に経腟的に児頭を手術野直下まで挙上させ(いくら下つていても比較的容易に挙上できる)挙上した児頭が,うすく伸展された子宮頸部の直下に触れる箇所に充分注意して切開を加え,静かに娩出させる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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