icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科28巻5号

1974年05月発行

総合講座 産婦人科と循環

脳循環障害の病態と治療

著者: 喜多村孝一1 加川瑞夫1

所属機関: 1東京女子医科大学脳神経センター

ページ範囲:P.349 - P.352

文献概要

 中枢神経系疾患のなかで,脳循環の異常に起因する脳血管障害は近年増加の傾向にある。特に平均寿命が延長し高齢者が多くなつたことはこの傾向に大きな拍車をかけているように思われる。
 古くは脳循環の病態はもつぱら病理学的あるいは臨床的な面からのみ検索されたために,不明な点が多く残されていたが,近年,生理学的なアプローチがなされるようになり多くの新しい知見が得られた。この脳循環障害の病態生理の面に画期的な飛躍がなされたのはKety—SchmidtらのN2O法による脳循環測定が行なわれるようになつてからである。ついでアイソトープを用いヒトの脳局所循環動態が解明されるに及んで,この方面の業績は著しい進歩をとげている。近年脳循環障害の病態生理に関しては多くの説が挙げられ,治療の方針もそれぞれの説に従つていろいろの方法がとられている。しかしながら,余りにも膨大な業績が一挙に出てきたため,やや混乱を招いているようである。したがつて脳循環障害の病態に関する諸説を統合整理しなおし,さらに進んで現時点における脳循環障害の病態の把え方と治療法について検討を加えてみたいと考える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら