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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科28巻5号

1974年05月発行

文献概要

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臨婦産相談室

著者: 高橋克幸1 島田信宏2

所属機関: 1東北大 2北里大

ページ範囲:P.398 - P.400

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 【質問】妊娠後期にみられるCarpal tunnel syndromeの頻度,およびその治療について,なお利尿剤に不反応の時の処置についてお教え下さい。
【解答】
 手根管症候群Carpal tunnel syn—dromeとは,Tobin1)によりますと,『手根管を走る正中神経が,spontaneousに圧迫されたときにおこる症状と,理学的所見をあわせもつもの』と定義しています。その症状としましては1)1側か両側の手におこる一過性のしびれ,熱感,ひりひり,ちくちくなどの痛む感じの知覚異常,2)正中神経支配領域のすべてか一部,すなわち,拇指,示指,中指,そして環指の外側の知覚異常,3)疼痛の夜間発作が箸しく,そのため睡眠が妨げられる,4)症状が進むと知覚が鈍麻し,きき指が動かなくなり,物をおとしたりする,の4つをあげています。理学的所見の主なものとしましては,拇指球筋の虚弱や萎縮,Tinel’s sign陽性(正中神経にあたる部位を打診すると,末梢の指先に放散し,ぴりぴりする感じやしびれの知覚異常がくる),手関節の過度の伸展や屈曲による知覚異常(手関節掌屈位試験),などをあげています。このような症状は妊娠中だけにおこるものではなく,最近の報告によりますと2),経口避妊薬の服用による副作用として,62例の本症候群の症例が報告されていますが妊娠中におこることが発生頻度としては高いようです。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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