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副腎皮質ホルモン投与による陣痛誘発
著者: 竹内久弥1
所属機関: 1順天堂大学産婦人科
ページ範囲:P.438 - P.438
文献購入ページに移動 胎児の副腎から分泌されるcor—tisolが陣痛の発来のための重要な因子となつているとの考えはLigginsらによつて提唱され,彼らの羊による実験でも確かめられている。この欄(第26巻第6号52頁)でもAnder—sonらが早産児の副腎が肥大している傾向のあることを報告した内容を紹介したが,今回はこの説を実地に応用した報告が現われたので紹介する。
Ligginsらが羊の胎仔に副腎皮質ホルモンの投与実験をした際には点滴静注の形で行なつたが,これは実地上は大変面倒な手技を必要とする。そこでアフリカ,ナイロビのケニヤ大学のMatiら(Brit.Med.J.2,149,1973)は,同様に羊を使つて胎仔への筋肉注射でも有効か否かを最初に検討した。dexamethasoneを5mg〜20mg筋注した結果は投与量が多いほど陣痛誘発効果は大であり,未熟胎仔に対する肺の成熟化にも有効であつた。副腎皮質ホルモン投与による肺の成熟化はすでに知られた事実であり,新生児の呼吸障害の予防にも有効と考えられる。
Ligginsらが羊の胎仔に副腎皮質ホルモンの投与実験をした際には点滴静注の形で行なつたが,これは実地上は大変面倒な手技を必要とする。そこでアフリカ,ナイロビのケニヤ大学のMatiら(Brit.Med.J.2,149,1973)は,同様に羊を使つて胎仔への筋肉注射でも有効か否かを最初に検討した。dexamethasoneを5mg〜20mg筋注した結果は投与量が多いほど陣痛誘発効果は大であり,未熟胎仔に対する肺の成熟化にも有効であつた。副腎皮質ホルモン投与による肺の成熟化はすでに知られた事実であり,新生児の呼吸障害の予防にも有効と考えられる。
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