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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科28巻6号

1974年06月発行

文献概要

総合講座 産婦人科と呼吸

胎児の呼吸

著者: 武田佳彦1 工藤尚文1 長野護1 田淵和久1 橋本雅1 人見悦子1

所属機関: 1岡山大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.445 - P.450

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 胎児の呼吸はほかの物質交換と同様に胎盤を介して行なわれる。したがつて当然のことながら母体環境によつて規制されると同時に胎盤の構造や機能,殊にその選択通過性に左右される。また呼吸機能を代表する血液ガス分圧は酸素が成人の1/4〜1/5に過ぎないところから胎児は「エベレスト山頂に生活する」という有名な比喩が用いられ,当然の帰着として嫌気性解糖系の亢進状態が胎児の呼吸代謝の特徴と考えられてきた。
 ところが最近の研究の多くは逆に胎児が好気性代謝環境にあることを裏づけており,単純に胎児が酸素欠乏に強いと考えることの危険性が強く指摘されており,周産期脳障害の要因として胎児低酸素症が重視されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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