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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科28巻7号

1974年08月発行

総合講座 産婦人科と肝機能

肝機能検査法とその意義

著者: 馬場茂明1 上野山林造1 中村功1

所属機関: 1神戸大学医学部第2内科

ページ範囲:P.503 - P.512

文献概要

 肝機能検査法は,その構成単位における機能を表現する検査であるべきであるが,たとえ単一な基本構造の機能を表現しえても,全体の病態像を表現し得ないことも多く,その臨床的価値が削減されてしまうこともある。すなわち,それほどまでに肝の構成単位は複雑であり,また機能も多様化している。したがつてこれら各個の機能単位を組立てて,肝全体の病態を推定しようとするのが,今日の肝機能検査である。そこで臨床的にこれらの検査に要求されるものを考えてみると,その第1は現在肝障害があるのかないのか,またそれは原発性のものなのか,続発性のものなのかを決定できるものでありたい。第2はその肝障害のタイプは何であるかを決めるためのものでありたい。さらに,第3は示された検査成績から肝疾患の予後を推定しうるかどうか,また治療法の決定をなしうるものであるかどうかということである。
 このような観点よりすると,それぞれの肝機能検査法の特異性(specifity),感度(sensitivity),選択性(selectivity)について十分熟知するとともに,肝疾患の臨床像との関連性をも知つておくことが重要なポイントとなる。この意味で,本稿では比較的重要な検査法をとりあげ概説したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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