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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科28巻9号

1974年09月発行

総合講座 産婦人科と胆・膵

膵の機能と検査

著者: 小坂樹徳1

所属機関: 1東京大学医学部第3内科学教室

ページ範囲:P.597 - P.603

文献概要

 膵は強力な消化酵素を含む膵液を十二指腸に外分泌して食物の消化吸収に重要な役割を演じているとともに,インスリン,グルカゴンなど代謝調節にあずかる重要なホルモンを内分泌する特異な臓器である。これら2つの主要な膵機能はともに障害されることも多いが,それぞれ別個に機能異常をしめす場合のあることもまた特徴的である。
 膵疾患の診断にあたつては,ほかの臓器疾患時の場合と同じく,問診や理学的所見,一般検査をはじめ膵機能を多岐にわたつて検することも重要であるが,さらに解剖学的位置からくる隣接諸臓器との関係から,胃・十二指腸を始めとする消化管のX線検査,胆のう・胆管,膵管造影,内視鏡および細胞診,膵血管造影,膵シンチグラムなど巾広い諸検査を行なう必要のある場合も少くない。このことは膵疾患における愁訴が不定であり,他覚的所見も特異性に乏しく,かつ決定的な機能検査法にかけることによるものであるが,ここでは本誌の求めに応じ,膵の機能とその検査法の大要について述べることにしたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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