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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科28巻9号

1974年09月発行

薬の臨床

Prostaglandin F2α(THAM)による分娩誘発効果—とくに経産婦について

著者: 橋村尚彦1 伊藤嘉章1 石束嘉男1

所属機関: 1厚生中央病院産婦人科

ページ範囲:P.633 - P.636

文献概要

 1930年KurzrokとLiebはヒト精液が,子宮筋を収縮または弛緩させることを発表した。次いで,1933年にGoldblatt, von Eulerは精液中に平滑筋を収縮させる物質が存在することを認め,1935年von Eulerによつて,前立腺(prostata gland)由来であるとの考えから,prostaglandin (以下PG)と命名された。その後1949年BergströmによりPGは単一物質でないことが発見され,さらに1960年に羊精嚢腺から純粋に結晶として分離され,1962年にはその化学構造が決定されるに至つた1)。PGはプロスタン酸と呼ぶ炭素数20個のモノカルボン酸を基本とし,これに水酸基,ケト基,二重結合が種々の組み合わせで導入された一群の化合物の総称であり2),正確にはprostaglandinsと呼ばれているが,ここ数年間その全合成が可能になり,多彩な生理作用の研究とともに,各臨床領域にも応用されつつある。このPGの分娩誘発への使用は,1968年Karim3)がPGF2αを用いたのが最初で,以後現在まで種々の報告がみられる。今回われわれもprostaglandin F2αTHAM (以下PGF2α)を妊娠末期の分娩誘発に用い,Oxytocinとの効果を比較検討し,興味ある成績を得たので,その概要を報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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