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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科28巻9号

1974年09月発行

文献概要

薬の臨床

トリコモナス腟炎に対するTinidazole経口経腟併用療法および配偶者同時投与法による効果について

著者: 田沢多朗1 石川栄一1 江田文雄1 海老原順一1

所属機関: 1社会保険中央総合病院産婦人科

ページ範囲:P.637 - P.640

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 トリコモナス腟炎は臭いのある帯下とそれによつて惹起される外陰部掻痒感および外陰部皮膚炎など種々の不快症状を示す疾患であり,従来よりわれわれ産婦人科医にとつて外来でしばしば遭遇するものであり,その上きわめて難治性であり,また執拗に再発をくり返す疾患であつたため,り患した患者にとつても,治療する医師の側にとつても頭の痛いやつかいな疾患であつたことは周知のことである。しかし,1958年CosarおよびJulou1)らによつて,nitroimidazoleの誘導体であるmetronidazoleが発見されてから,本症の治療効果は画期的に改善され本症の治療に大きな貢献をもたらしたこともよく知られたことである。最近さらにこのnitroimidazole系のより一層強力な作用をもつ薬剤の1つとしてTinidazoleが開発された。Tinidazoleはnitroimidazoleの誘導体で化学名,Ethyl〔2—(2—methyl−5—nitro−1—imidazolyl)ethyl〕sulfoneといい下記のごとき構造式を有するものである2)
 このたび,われわれは台糖ファイザー社よりこの新薬Tinidazoleの提供をうけ,膣トリコモナス症に対する治療効果に関し臨床的検討を加える機会をえ,きわめて満足すべき成績をえたのでここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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