文献詳細
臨床メモ
文献概要
尼僧に子宮頸癌がほとんどみられないことから,性行為を頸癌の原因のうちの重要な因子とする考えがある。これを支持する仮説のひとつは,思春期の子宮頸部上皮細胞が癌原性の刺激にとくに弱いので,初回性交が若年である場合に頸癌が発生しやすいという。癌原性の刺激としては慢性頸管炎,内分泌失調,ある種の化学物質,頻回の頸管炎,恥垢,外傷,精子DNAなどが挙げられている。もうひとつの仮説では,性交の対象の数の多いことが頸癌発生の因子として強調されている。この場合の性交の対象とはその婦人に関係した男性の数だけではなく,婦人の夫が多くの女性と関係することも含まれている。すなわち,悪性変化が性行為による感染で惹起されたと考えるものである。たとえば外陰ヘルペスを起こすヘルペスウイルスII型などがとくにこのなかに含まれることになる。
このような仮説を証明しようとして,ロンドンの衛生および熱帯医学校のBeral (Lancet 1, 1037, 1974)が淋疾と子宮頸癌との関係を統計的に分析した報告があるので紹介する。
このような仮説を証明しようとして,ロンドンの衛生および熱帯医学校のBeral (Lancet 1, 1037, 1974)が淋疾と子宮頸癌との関係を統計的に分析した報告があるので紹介する。
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