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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科29巻11号

1975年11月発行

文献概要

トピックス

Carcinoembryonic Antigenと癌

著者: 広井正彦1

所属機関: 1山形大学産婦人科

ページ範囲:P.844 - P.844

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 宇宙征服のためにアメリカの科学陣は10年計画を立て,10年後には人類が月に到達した.ところが過去10年に莫大な研究費を費やしたが,癌死亡率は少しも低下しないと,あるアメリカの政治家がのべたそうである。今や人びとの関心は宇宙よりも身近な疾患に向けられてきている。
 癌などの悪性腫瘍の早期発見に対して,どの臨床医家でも簡単にできる問題として,従来より皮内反応や血中・尿中などのある種の物質を測定する方法が注目されてきている。とくに血中物質の測定について,すでにGold,Freedman1)が1965年に胎児の腸管や消化器癌の抽出物の抗体を作成し,これをcarclnoembryo—nic antigen (CEA)と名づけて以来,この物質の測定に興味がよせられ,radioimmunoassayの方法も確立されて多く臨床に用いられてきている。今日までの大部分の報告はThompsonら2)が報告した成績にもとづき,このCEAが2.5ng/ml以下は陰性とし,2.5ng/ml以上は癌の存在が疑わしいとしている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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