icon fsr

雑誌目次

雑誌文献

臨床婦人科産科29巻12号

1975年12月発行

雑誌目次

特集 産婦人科手術のポイント

著者: 坂元正一 ,   竹内正七 ,   橋口精範 ,   東條伸平 ,   鈴木秋悦

ページ範囲:P.881 - P.881

 手術は,解剖学,病態生理,外科総論などの観点からの合理性が要求される。1次予後が良好でなければならないのはもちろん,2次(長期)予後も良好であるような充分な配慮が必要であることはいうまでもない。そして,その手術が患者にとつてもつとも幸福になることにつながるか否かを考察し,適応,術式,術中・術後管理の方式などが決定されなければならない。
 手術は,技術である以上,,巧妙で熟達したものでなければならないのは言をまたないが「手術は手だけでするものではなく,頭でするものだ」という先人のことばにもあるように,理論的にも合理的であることが要求されるわけである。さらには,「心」も必要なようで,患者の幸せを追求するhumanismの精神も貫ぬいていなければならない。その意味では,芸術でもあるといわれるのも,首肯しうるのである。

I.婦人科手術の基本手技

著者: 小林隆

ページ範囲:P.884 - P.887

 筆者に与えられた課題は「基本手技」であるが,編集部からは手技そのものを書くよりも,「手術の基本」という解釈で,若い人びとに与えるべき心掛け,コツ,さらには手術学のフィロソフィーなどについて自由に述べてほしいとの示唆があつたので,その線にそつて筆者が日頃考えていること,今までに主張してきたことなどをここに要約して叙述することにしたい。

II.術前・術後の注意・管理

最低必要な術前一般検査

著者: 室岡一 ,   町田利正

ページ範囲:P.890 - P.891

術前検査の必要性
 手術はたとえどんなに小手術であつても麻酔,出血に伴う不慮の事態が起こりうることは考えておかなければならない。これら不慮の事態が起こりやすいか否かは術前検査によつてある程度知ることができ,したがつてその予防処置を実施してその危険を逃れているケースは多い。さらにまた術前種々な検査所見は麻酔法の選択,術中の管理を実施する上に参考となることが多く,術中の出血の程度などを併せ考えて,術中,術後の治療指針にもなる。以上のように術前検査は術前処置,術式決定,麻酔法の選択,術中,術後の管理など指針決定上に重要な参考になるから,これは精密に実施すべきである。

特殊検査

著者: 三村孝

ページ範囲:P.892 - P.893

 一口に術前の特殊検査といつても,手術をうける患者の年齢,一般状態,合併症などにより必要とされる検査も多種多様にわたつてくる。一般検査で異常がみられる場合はさらに高度の検査が要求される。限られた枚数でこれらを全て詳述することは難しい。ここでは実際の臨床上比較的よくみられる二,三の内分泌系の疾患が合併した場合に必要な術前検査について述べる。

合併症患者の術前・術後管理

著者: 品田孝夫

ページ範囲:P.894 - P.897

 産婦人科領域でも,合併症があるにもかかわらずあるいはそれに準ずる状態で手術を必要とする患者がいる。この内で,比較的多い合併症や,管理上問題点の多いものの術前術後管理について項目別に要点を述べる。

高齢婦人の手術と術前・術中・術後の管理

著者: 林四郎

ページ範囲:P.898 - P.899

高齢婦人の手術にあたつて留意したい点
 1.他臓器合併症の存在 男性,女性を問わず老人では手術の対象となる疾患のほかに各種の合併疾患を示すことが多い。もちろん普通の臨床検査でひつかからないような健康な肉体の持主もあるが,狭心症,心筋硬塞,高血圧症,動脈硬化症,慢性気管支炎,肺気腫,気管支喘息,肝硬変,腎硬化症,慢性腎炎,糖尿病,痛風などを合併している高齢婦人も多く,また脳卒中後の片麻痺に悩む老人でも手術の必要が生じる。このような他臓器合併症疾患の存在はとくに75歳以上の患者で多い1〜4)
 2.厳格な手術適応の必要性 このように心・腎・肺などの機能低下,合併症を示すことが多い高齢婦人であり,またこれらの異常が手術後の経過を左右するものであるので,いろいろな面で不利な条件をもつ高齢婦人に対する手術は絶対に必要なものに限定されるべきであり,手術の適応をとくに厳格にしたい。しかし一方では手術の実施について消極的なあまり,状態を悪化させたあとで始めて手術に踏みきる愚もおかしてはならない。

子宮癌根治手術後の患者管理

著者: 平林光司

ページ範囲:P.900 - P.901

回復室における管理
 この時期にもつとも問題となるのは循環不全の診断と処置である。

III.麻酔と輸液・輸血

麻酔法の選び方

著者: 田中亮

ページ範囲:P.904 - P.905

麻酔方法選択の原則
 婦人科領域の手術,処置,検査の麻酔を行なう際には,麻酔法の種類の選択はあまりない。対象は主として骨盤腔内臓器に限られているからである。全身麻酔か,局所麻酔かいずれを選択するかの決定は,あくまでも,患者固有の状態によつてきめられるべきであつて,同時に,その患者にもつとも適当な麻酔剤を使用すべきである。技術的因子,環境的因子は2次的な問題である。

麻酔時偶発症の救急処置

著者: 岩井誠三

ページ範囲:P.906 - P.907

 麻酔偶発症とよばれるものには麻酔方法,麻酔剤などによつて種々のものが発生しうるがもつとも重大なものは死亡である。麻酔に関する一般的知識が普及した現在では麻酔による直接死亡は著しく減少して安全性は向上したといえる。しかし,一方では安全性がたかまつたためにかえつて安易にこれを行ない,思わぬ偶発症に遭遇することも決して少なくない。麻酔剤に対する反応性は個々の症例により異なることがあり,とくに対象となる個体に併存疾患の存在する場合には通常と異なる変化をあらわすことは当然で,手術術式によつて画一的な方法を行なうことは決して安全とはいえず,患者の全身状態に見合つたもつとも安全な方法を選ぶことが麻酔選択の基本である。しかし,現状においてはすべての麻酔偶発症を予測することは困難であり,それぞれの麻酔時に発生しうる偶発症のうち重大な結果を招く可能性のあるものにつき,その対策を述べる。

輸液法の選び方

著者: 中條俊夫 ,   阿曾弘一

ページ範囲:P.908 - P.909

 細胞は内環境の細胞間液によつて養われ,その変化によつて活動性が変つてくる。よい内環境を作る一つの手段が輸液である。したがつていかに正常の細胞外液に整えていくかを考えていけば,輸液の大筋の方針は決つてゆく。それは単に水分,ナトリウム,クロールだけについてではなく,酸塩基代謝,熱量補給,細胞内電解質,膠質浸透圧についても,さらに欲をいえばアミノ酸組成,微量塩類,ビタミンその他の点においても,正常に近い細胞外液とする輸液であり,あとは呼吸および排泄の機構を整えれば細胞が生存できるようなものが望ましい輸液である。
 しかし,臨床で実際に扱う輸液はもつと単純に考え,組み立ててゆくことができる。輸液をいくつかの目的に分解してみると,deficit therapyっまり治療開始時に欠乏しているものに対する修復輸液,abnormal loss therapyつまり出血や消化液などの異常喪失に対する補正輸液,maintenancetherapyつまり前2者を補正したあとに正常体液状態を保つための維持輸液の3者に分類できよう。実際の輸液を行なうには,この3者を合わせることでよい。

妊娠中絶と帝切の麻酔

著者: 長内国臣

ページ範囲:P.910 - P.911

 ラボナール(イソゾール)静麻による中絶麻酔 中絶麻酔のほとんどは静麻で行なわれ,その多くはラボナールかイソゾールなどが用いられている。この際の一般注意としては,合併症を選出しておくことと,禁食を6〜8時間おいて誤嚥を避けることなどがある。

IV.手術の適応と術式の選択

保存か手術か

著者: 坂元正一

ページ範囲:P.914 - P.915

保存的に治療を行なう場合は
 ①はじめから保存的療法がむいている場合 ②疾患として手術適応はあるが,条件上手術ができない,もしくは不適当な場合 ③手術はできるが,部分的に保存すべきか,結果として保存的になつてしまつた場合(例えばincomplete operation)などが考えられる。
 それ以外,手術的適応のあるものは当然手術に踏み切られる。

腹式か腟式か

著者: 西村敏雄 ,   松浦俊平

ページ範囲:P.916 - P.917

 内性器に腹式開腹術によつてのみでなく,経腟的アプローチも可能なことは婦人科手術の特色であるが,しかし腹式開腹術が婦人科開腹手術のほぼ全般に適用し得るのに対し,腟式開腹術は一定の要約を持つた一部の場合に限られる。腟式開腹術を行なうためには,局所解剖学に基づいた一定の習熟と経験とが必要であり,また熟練からくる術者の好みが腟式を選ばせる一つの動機となることも否定できないが,このような問題はさておき,腟式手術の適応,これを選択するにあたつての条件などについて考えてみたい。

子宮全摘か腟上部切断術か

著者: 岩井正二

ページ範囲:P.918 - P.919

 良性疾患に対する子宮摘除法としては子宮全摘出術または腟上部切断術があるが,この両術式の選択については従来より種々論議されてきたところで,これについては未だ画一的な基準が確立されているとはいい難い現状である。しかしながら, ①頸癌母地を残したくない。 ②性生活に対し頸部残存の意義は少ない。 ③術後後遺症(帯下感,下腹痛,腰痛など)はむしろ腟上部切断術に多い。 ④手術手技の上で両者にほとんど差がない。
 などの理由で最近では子宮全摘を根治療法の原則とする傾向にあることも事実である。本邦における両術式の実施情況は表1のごとくで,大学では全摘が70%以上を占めているようである。両術式にはそれぞれ長所,短所があるが,以下各項目について少しく検討を加えてみたい(手術手技および腹式か腟式かという問題については他著者が述べられることになつているので割愛する)。

腹腔鏡を用いた手術

著者: 山本浩 ,   岩田嘉行

ページ範囲:P.920 - P.921

 腹腔鏡を用いて行なう手術の代表的なものとして,卵管避妊手術と卵巣組織切除とがあげられるが,その他,子宮位置異常に対する円靱帯の腹壁固定,腹腔内に逸脱したIUDの除去,子宮内膜症の焼灼,成熟卵の採取,卵巣嚢腫の穿刺,慢性骨盤結合織炎の癒着剥離などの試みもある。
 この紙面では,前2者に対象をしぼり,正しく行なうための注意事項4点をあげ,説明を加える。

中期中絶時の術式の選択

著者: 杉山四郎

ページ範囲:P.922 - P.923

 ここでは,中期の中絶とは,妊娠4,5,6,7カ月の人工妊娠中絶術をいう。しかし,妊娠4カ月の中絶術と,他の5,6,7カ月のそれとは,別に考えてよい。といつても,妊娠4カ月の中絶を,妊娠2,3カ月の中絶と同じように考えることは,大きな誤りであり,そこから多くの医療事故が生まれている。
 したがつて,人工妊娠中絶術は,初期と中期に分けられ,中期の中でも,妊娠4ヵ月と5,6,7カ月に分けて考えたい。

帝切の術式の選択と適応

著者: 山村博三

ページ範囲:P.924 - P.925

 腹膜内子宮体部縦切開は過去においては広く用いられた術式で,時には子宮底横切開(Fundal—schnitt)も行なわれたこともある。現在では,前置胎盤,下肢脱出の骨盤位など,限られた場合に用いられている。しかし,前置胎盤,頸管胎盤では,時として,胎児娩出後,胎盤の剥離障害があり,用手剥離を必要とする場合があるが,この際,体部縦切開よりも子宮下部横切開の方が実施し易いことや,胎盤娩出後の弛緩出血のため,いわゆる,腟上部切断術を必要とする場合のあることなどから,前置胎盤でも子宮下部切開をよしとする術者もあり,筆者も賛成である。
 子宮壁は2層縫合がよい。腹膜内手術では術後の大網,腸管の癒着を避けるよう,配慮しなければならない(後述)。

性器脱垂のとり扱い方

著者: 遠藤幸三

ページ範囲:P.926 - P.927

 性器脱垂のうち,子宮の脱垂がその主要なものであるが,子宮に限らず腟腔に面している他の器管も脱垂するのでこの名称がある。
 図は脱垂する臓器と,それぞれを下から支えている結合織を示している。脱垂するものは,子宮,尿道,膀胱,ダグラス窩,直腸である。それぞれ子宮脱,膀胱脱などというが,ググラス窩の場合は小腸脱(enterocele)と通称されている。正確にはダグラス窩ヘルニアである。性器脱の成因は各部分を支持する結合織が弛緩して支持力が弱化することにあるというのが,私の年来の考え方である。骨盤内の臓器の間の間隙を埋めている結合織をendopelvic fascia (骨盤内筋膜)といい,臓器を定位置から動かないように固定している。全身すべての臓器の周囲に結合織があり,その薄弱な人は臓器の下垂を起こす。子宮脱患者を問診すると,胃下垂や遊走腎のある人が多い。

子宮腟部ビランの治療法の選択

著者: 川上博

ページ範囲:P.928 - P.929

 Estrogenに対する頸管粘膜の反応は個人的に大きな差があるが,感受性が強いものでは頸管粘膜は高度の皺襞を形成し,さらに外子宮口を越して子宮腟部の表面まで拡大する。これが子宮腟部ビランである。
 このような粘膜の増殖は粘膜皺襞(ビラン腺)を形成して子宮頸管壁ならびに子宮腔部実質内に侵入し,遂には頸管炎を併発するようになる。

造腟術の選択

著者: 秦良麿

ページ範囲:P.930 - P.931

 造腟術の対象となるものは通常腟欠損症Aplasiavaginalis (Müller-Rohitansky-Küster-Hauser syn—drome)であるが,時にはTesticular feminization(Morris) syndromeにも行なうことがあるし,アメリカでは子宮癌治療後の腟の短縮を補う目的でも行なわれている。しかし本稿では腟欠損症の場合に限つて述べることとする。
 本症に対する造腟術施行の可否についてはいまなおいろいろな見解があるが,一般的には患者の精神的苦悩をやわらげ,性交を可能にして結婚生活への希望を与えるものとして,本人が希望するならば行なうべしということにおちついているようである。しかし子宮はきわめて痕跡的に認められるにすぎないから,もちろん依然として無月経であり,妊娠できない(例外的に子宮の存在する例は別として)ことを十分納得させておくべきである。

新生児奇形の処置の方針と時期

著者: 駿河敬次郎 ,   新井健男 ,   陳守誠 ,   高橋章

ページ範囲:P.932 - P.933

 新生児奇形の診断には,詳細な病歴の聴取,患児の状態観察,単純レ線検査および種々の造影検査が非常に重要である。また,体温下降防止,輸液および重篤合併症の予防は治療成績に大きく影響する重要な因子としてあげられる。今回は外科的治療を必要とする主要な新生児奇形につき,その処置のポイントと禁忌に重点をおき,簡潔に述べる。

V.手術手技--婦人科

腹式子宮単純全摘術

著者: 松田正二 ,   土門洋哉

ページ範囲:P.940 - P.941

 腹式子宮単純全摘出術(以下,単純全摘)の術式に関しては,枚挙のいとまがないほど報告されているので,手技内容はそれらにゆずり,ここでは単純全摘を施行するにあたつて,特に留意しなければならない点を2〜3拾つて解説してみたい。

腹式子宮単純全摘術—Aldridge術式を中心に

著者: 山辺徹

ページ範囲:P.942 - P.943

 腹式子宮単純全摘術は子宮筋腫などをはじめ適応が多く,一般婦人科医にとつても実施されることの多い手術である。本術式の施行に際して問題となるのは,手術手技の不備などによつて生じることのある尿管損傷と出血である。とくに子宮労組織や腟旁組織においては豊富な血管を伴う結合織線維が錯走している。そのため,この部の集束結紮に際して不測の出血をきたし,その止血処置が尿管損傷の原因となる例を見聞することもある。
 広汎全摘術(岡林術式)に熟達した人であれば,骨盤内の解剖に関する十分な知識と経験があるので,尿管損傷をきたす懸念はまずないが,一般婦人科医のすべてにそこまでを期待することは不可能であろう.現実には,これらの副損傷を恐れるあまり,単純全摘術を避けて,子宮腟上部切断術に逃げる術者のある場合も見受けられる。

腟式子宮単純全摘術

著者: 橋本正淑

ページ範囲:P.944 - P.945

適応の選択
 超手拳大までの良性腫瘤で周囲との癒着がほとんどないか,あつても軽度なものが手術の対象となる。習熟の度を加えるに従い適応はかなり拡大されるが,子宮の移動性および下降度を内診により十分吟味し判定する。

子宮頸癌根治手術—Ia期

著者: 杉森甫

ページ範囲:P.946 - P.947

 子宮頸癌の根治手術としては岡林式広汎性子宮全摘術が一般に行なわれている。本術式は治癒性に関しては不動の地位を有するものの,多少のriskを伴うことと尿路系合併症,後遺症の多いことが欠点とされる。そこで,Ia期というきわめて初期の癌に対しては,患者の術後の社会復帰を考慮に入れた場合,もう少し切除範囲を縮少してもよいのではないかという考えから,筆者らはIa期に対しては準広汎全摘術およびリンパ節廓清術(われわれは拡大単純全摘術と呼称してきたが,この種の術式は準広汎全摘術と呼ぶことに日産婦学会子宮癌委員会で申し合わされた)を根治手術として施行しているので,その要点について説明する。

子宮頸癌根治手術—リンパ節廓清

著者: 関場香

ページ範囲:P.948 - P.949

 リンパ節剔出を先にするか後にするか多少問題もあろうが,私は一般の意見に従つて先に剔出している。
 リンパ節廓清の要点は,リンパ節の完全剔出,出血に対する対策の2つであると思う。このいずれが欠けても良い結果は生まれない。その詳細について述べる紙面の余裕はないが簡単に述べてみたい。

子宮頸癌根治手術—基靱帯処理

著者: 坂元正一

ページ範囲:P.950 - P.951

私の術式における基靱帯処理段階
 基靱帯を処理する段階での,周囲との解剖的関係は広汎性子宮全摘出術の術式によつてかなり異なつてくる。私のやり方では次のような状況のもとで処理に入る。
 ①膀胱側腔および直腸側腔(の頭方入口部)は手術の最初に開放ずみ(基靱帯はほぼ浮彫りの状態)。 ②リンパ節廓清は基靱帯節を除き終了。 ③子宮動脈切断終了。 ④尿管剥離終了。

子宮頸癌根治手術—前方操作,とくに尿管処理

著者: 竹内正七

ページ範囲:P.952 - P.953

 子宮頸癌根治手術は,先人のたゆまざる努力により,今日ほぼ美しいまでに,完成されたと言えよう,しかし,尿路系の障害防止のための安全な術式という意味では,まだ若干の問題を残している。換言すれば,出血量も少く,しかも,根治性をもつていながら,尿管瘻や尿管水腫の発生を,ほぼ起こさないような術式の確立という意味では,①前層剥離のための侵入門の発見法,②後層処理のための侵入門の選択などに,解剖学的合理性を追究する余地を残していると考える。

子宮頸癌根治手術—尿路系機能保存—特に子宮動脈尿管枝保存法

著者: 東條伸平 ,   山下澄雄 ,   三浦徹

ページ範囲:P.954 - P.955

 子宮頸癌根治手術に伴う副障害のうち,もつとも重要なものは尿路系の障害,特に下部尿管の狭窄や膀胱麻痺に伴う2次的腎機能障害である。そこで術後の尿路系機能の実態について解説するとともに,私たちの行なつている尿路系機能保存法の実際について述べる。

子宮体癌の手術

著者: 鈴木忠雄

ページ範囲:P.956 - P.957

 癌手術の術式は次の3点からきめられるといえよう。
 ①術後の生体機能が著しく損なわれない範囲の切除であること。 ②その症例について予想される蔓延範囲は十分にカバーされていること。 ③術中操作で,人工的な伝播を招かないよう配慮すること。

子宮腟上部切断術

著者: 大川公康

ページ範囲:P.958 - P.959

 腟上部切断術は子宮頸部の腟上部で切断し子宮体部を切除して子宮頸部を残存する手術である。20数年前までは子宮の良性腫瘍のほとんどすべての例に施行されていた。この術式は容易であつて,副損傷とくに尿管障害を起こすことがないからである。また子宮の一部を残存するということは婦人に対して精神的に慰安感を持たせることになると考えられていた。しかしその後子宮の良性腫瘍に合併する子宮腟部位の異型上皮の発生頻度の高いことが証明され,その頻度は約3〜5%といわれている。また残存する子宮腟部に発生する断端がんの危険もあるとの理由で現在では腟上部切断術は施行されていない。もし行なわれるとすれば次の救急手術の場合である。

Emmet手術

著者: 福島務

ページ範囲:P.960 - P.961

頸管縫合術(Emmet手術)
 Emmetにより記載された陣旧性頸管裂傷の形成術である。今日では,稀に流早産の原因が頸管裂傷と思われるものに峡部縫縮術とともに施行されることがあるのみで,もはや,歴史的な意義しかないといつてよかろう。それは現在の陣旧性頸管裂傷の治療法は焼灼,円錐切除,頸部切断術などによつて,完全にとつて代られたからである。
 陣旧性頸管裂傷は分娩時頸管裂傷の縫合不全,あるいは,縫合せず放置された場合に生ずるが,頸管の瘢痕化,外翻とビラン,時には頸管の真一文字の開大がみられ,頸部は不整形に膨隆する。頸管粘液の増量と感染があるので帯下を主訴とし,また習慣性晩期流産,早産の原因と考えられている。しかし,帯下に対しては,腟洗,あるいは焼灼,頸管部も含む円錐切除がより有効で,流早産予防には簡単な,かつ分娩に支障のないような縫縮術が汎用され,この手術は意味を失いつつある。

子宮腟部びらんの手術

著者: 滝一郎

ページ範囲:P.962 - P.963

 子宮腟部びらんの手術というテーマで,Sturm—dorf手術のポイントを書くようにとの編集者よりの依頼であつた,最近はびらん治療に対しては電気凝固や冷凍手術がさかんに用いられ,本術式はむしろ子宮頸癌の早期境界病変に対する診断あるいは治療の手段として行なわれる機会のほうが多い。その場合はただ病変部を切除するのみでは不十分で,摘出標本が以後の検索材料として適当であるために,びらん面を損傷しないような手術操作が必要となる。本稿ではその点も踏まえて術式の要点を述べてみたい。

筋腫核出術

著者: 阿部穣

ページ範囲:P.964 - P.965

筋腫核出術とMyomectomy
 子宮筋腫の保存的手術法として,筋腫のみを摘(剔)除する方法には,核出摘除する法と有茎筋腫を切除する法とがあり,これらを総称して筋腫摘除術(Myomectomy)と称す。筋腫核出とは,子宮筋層内から筋腫を核出することであるが,核出を意味するenuclationなる語は一般的には使用されず,筋腫核出術はMyomectomyと記載される。

卵巣悪性腫瘍の手術

著者: 加藤俊 ,   薬師寺道明

ページ範囲:P.966 - P.967

開腹時所見のみ方
 1.腹腔内所見の把握
 癒着はすべての卵巣腫瘍におこり得るが,その頻度,癒着の状態は各腫瘍の種類によつて差があるので,それらに関する認識も必要である。その頻度は, 1)良性群,中間群,悪性群の順に癒着の発現率が高い。 2)腫瘍の類別では原発性癌がもつとも高く,次に続発性癌,肉腫の順で,転移性癌は悪性群としては低い。 3)癒着部位は大網膜,骨盤底,腸管,腹壁,子宮,膀胱の順に多い。

靱帯内卵巣嚢腫の手術

著者: 西田悦郎

ページ範囲:P.968 - P.969

 (広)靱帯内卵巣嚢腫摘除Removal of intraliga—mentous ovarian cyst;Exstirpation der intraliga—mentären Zysteの実地面で注意しなければならない点は次の諸点である。
 ①尿管損傷:尿管走行が変移し,他の索状組織のごとくにみえることがある。時として重複尿管のこともある。 ②出血:嚢腫底而剥離時,骨盤壁深部血管(とくに静脈)を損傷せぬよう注意する。卵巣自体に出入する血管の処理は一般に容易であるが,症例によつては慎重を要するものがある。 ③腫瘍組織遺残:手術が混乱して一部腫瘍組織が遺残すれば嚢腫は再発する。とくに偽ムチン性嚢腫では腹膜偽粘液腫Pseudomyxoma peritoneiを続発し死に至る危険性も生ずる。 ④腹膜縫合:一般に広い腹膜欠損部が残るので腹膜縫合を確実にするよう症例に応じ種々工夫をする。 ⑤腸管損傷:腫瘍が良性の場合は腸管損傷は一般にないが,もし起こつた場合は,キチンとした腸壁縫合または腸管切除吻合を行なう。

癒着を伴う卵巣嚢腫の手術

著者: 椹木勇

ページ範囲:P.970 - P.971

 卵巣腫瘍が癒着性か否かを開腹術前に推測しておくことは,腸管や尿管あるいは膀胱の処置に必要な検査や準備を心がけておく意味で大切である。多くは炎症性の変化によつて広靱帯後葉に癒着した偽靱帯内発育の型をとるが,これと区別しがたいものの卵管卵巣嚢胞腫,炎症性附属器腫瘤などがあり,いずれも手術に対する基本は共通している。

卵巣楔形切除術

著者: 田中良憲

ページ範囲:P.972 - P.973

手術手技
 卵巣楔形切除術は小開腹術であり,とくにコツというべき点はないが,筆者の行なつている方法を図によつて説明したい。
 恥骨上縁より2〜3横指の点で約6cmの横切開を行なう(図1)。皮下を充分に頭側に剥離し,切開部よりなるべく上方で筋膜の横切開を行なう。膀胱の損傷を防ぐためである。以後は型のごとく腹腔に入る。ペアン鉗子で円靱帯をつかみ子宮底を牽出し,指で卵巣を腹壁上にひき出す。その後無鉤ペアン鉗子2個で卵巣間膜をはさみ,出血量の減少をはかる(図2)。ペアン鉗子にゴム管をかぶせておけば圧挫による損傷は予防できる。

腟式卵管結紮術—前腟法

著者: 橋口精範

ページ範囲:P.974 - P.975

 卵管結紮術には,大別すると腟式卵管結紮術と,腹式卵管結紮術があり,腟式でも前腟法,後腟法がある。ここでは前腟法による腟式卵管結紮術のコツについてのべることにする。

卵管形成術

著者: 鈴木秋悦

ページ範囲:P.976 - P.977

 不妊婦人の約40%に卵管障害が認められるといわれるが,不妊婦人1,583例については子宮卵管造影法を行なつた坂倉の成績によると,両側卵管閉鎖症は219例(14.23%)で,さらに,疎通障害の870例を加えると1,089例(70.8%)となり,不妊因子の大部分を占めていることが明らかにされている。なお,両側卵管閉鎖症79例中56例(70.9%)に結核の既往,とくに結核性腹膜炎後の閉鎖は29例中15例(51.7%)でもつとも多く,既往手術としては,子宮内容除去術後の両側卵管閉鎖が67例中16例(23.9%)で最大の誘因となつていることが報告されている。最近の高野の報告でも,卵管形成術施行37例の既往として,虫垂突起摘出術,付属器炎,腹膜炎,肺結核などが明らかとされている。
 これらの卵管障害の観血的治療法としての手術法に関しては,症例の選択,手術の適応の決定など,術後のfollow upの成績を含めて効果の判定は,術者の技術とも関連して難しい問題であり,術後の妊娠率などについての比較は非常に難しい。しかし,婦人科手術のともすれば摘出術に流れる傾向の中にあつて,卵管形成術は術後機能を目的とする手術として,今後ますます注目を浴びることは疑いがない。

外陰癌の手術

著者: 須川佶 ,   植田勝間

ページ範囲:P.978 - P.979

 外陰癌の治療成績をPlentl-Friedmanの集計によつて示すと表のごとくである。放射線療法の成績は満足すべきものでなく,したがつて許せるかぎり手術療法をfirst choiceとすべきものと考える。術式としてはradical vulvectomy c regionallymphadenectomyが適切なものと判断されるが,本術式施行に当り,尿路・直腸—肛門への侵襲および広範囲皮膚切除に伴う修復不全などかなりの問題が存在し,1次死亡率も10%と,必ずしも満足すべき方法とはいい難い。今日Bleomycinをはじめとする化学療法剤の開発もあり,これらと放射線療法を併せた"adjuvant therapy"をまつて目的を遂げるべく,われわれは以下のごとき術式をもつて,本症の治療にあたつている。

外陰部形成術

著者: 高見沢裕吉 ,   加藤喜市

ページ範囲:P.980 - P.981

 外陰部形成術式と疾患名を下記に述べる。
 1)陰核切除術………肥大陰核 2)陰唇切除術………小陰唇延長症 3)陰唇切開術………陰唇閉鎖症および癒着症 4)前庭肛門形成術…前庭肛門 5)外陰切除術………良性腫瘍および前癌性病          変 6)会陰形成術………性器脱および陳旧性会陰          裂傷 7)処女膜形成術……処女膜閉鎖症および裂傷

子宮奇形の手術

著者: 木下佐

ページ範囲:P.982 - P.983

 子宮奇形は不妊,流産,分娩異常,月経痛などの原因になることがあり,特に習慣流産との関連が重視されているが,一方,性機能になんら障害を及ぼさず,妊娠,分娩も全く正常に経過する例も多い。したがつて手術適応の決定には充分慎重でなければならない。
 子宮奇形に対する手術は,主として単頸双角子宮,中隔子宮あるいは凹底子宮を対象として,Strassmann法ないしJones法が行なわれている。両法の優劣については両論があり,なお決定し難い。分離重複子宮,双頸双角子宮も同様の方法で手術しうるが,手技はやや複雑となり,またこれらに対して手術により内腔の単一化を図ることの意義,効果についても疑問がある。

腟異常の手術

著者: 藤原幸郎

ページ範囲:P.984 - P.985

 腟異常と一口にいつてもきわめて多種の異常が存在するからその手術についても一つの術式が確立されているわけではない。そしてすべての腟異常の手術に共通したポイントをあげることは困難といえるが,あえてあげるとすれば腟の組織と周囲の器官の組織を確認し,これを別々に分離して切開縫合を行なうということになる。特に直腸などの消化管系,膀胱・尿道などの泌尿器系とは密接な関連を有し,これらを損傷して修復を怠たれば瘻管を作つて不快な後遺症を残すことになる。これらの器官との関連,つまり局所解剖を十分理解することが第1の条件である。腟壁の厚さは約3mmで外層から結合織,筋層,粘膜層からなり,この各層は分離することはできない。この種の器官としては比較的丈夫な組織で,もちろん個体差があり,年齢などによつても異なるが,子宮全剔時腟断端を頭に入れればよく理解できると思う。

処女膜異常の手術

著者: 大内広子 ,   相羽早百合

ページ範囲:P.986 - P.987

 処女膜は腟入口に存在し腟前庭と腟との境界をなし,多くは中央に小孔をもつて交連しているが,時に胎生期における発生異常や,後天性におこつた炎症,損傷などによつて異常所見を呈することがある。
 処女膜の異常で問題となるのは思春期の月経発来時の障害,処女膜強靱による性交の不能,分娩時の異常,また性交時損傷により大出血をみたときなどである。

バルトリン嚢胞手術

著者: 石原力

ページ範囲:P.988 - P.989

 バルトリン嚢胞の療法としては,1)内容圧出術, 2)穿刺(排液)術,3)切開(排液)術,4)造袋術,5)摘出術の5種類があるが,1)から3)までは,永続的治癒が不確実で,5)の摘出術は従来一般に行なわれてきたが,4)の造袋術が出現してからは,次第にその座をゆずりつつある現況である。
 その理由として, ①造袋術はきわめて簡単で,わずか数分で終るのに対し,摘出術はかなり長時間にわたるものがあること, ②造袋術は安全であるのに対し,摘出術では近傍の静脈叢(前庭球)を傷害して容易に止血しがたい大出血を起こすことがあり,また大きく発育した嚢胞では,後方が直腸に近いので直腸への穿孔もありうることなどがあるほか, ③造袋術はバルトリン腺本来の機能の維持,回復をはかる点生理的であるが,摘出術では腺の欠如をもたらすので非生理的であることも考えられる。そこでここでは造袋術(marsupialization)について述べることにしたい。

性器脱垂手術—Manchester手術について

著者: 栗原操寿

ページ範囲:P.990 - P.991

 婦人の性器脱は,子宮および腟の脱垂である。これに膀胱脱を伴うのが普通で,また直腸脱も加わることが多い。原因は分娩による生殖裂孔の離開説と子宮支持靱帯の不全(弛緩)説とに分かれ,今もつて論議は決着をみていない。
 現在子宮脱手術の主流は,Manchester手術と腟式子宮摘出術であり,腟閉鎖術(NeugebauerLe-Fort術)は性生活断絶の高齢者に行なわれるにすぎない。

性器脱垂手術

著者: 古谷博

ページ範囲:P.992 - P.993

 骨盤内性器が正常な位置を保持するのは,主として骨盤底を形成する諸筋の働きによるもので,その機能不全,形態異常を矯正するのが性器脱垂手術の原理であり,この脱垂を助けている子宮の位置異常,結合織の断裂などの矯正も併せて行なうものである。いいかえれば性器裂口の閉鎖不全に対する成形手術である。主な術式としては次のようで,適応によりそれぞれの術式が選ばれる。
 1.前腟形成術  (1)前腟縫合術  (2)膀胱腟中隔縫合術 2.腟会陰成形術  (1)腟会陰縫合術  (2)直腸腟中隔縫合術 3.骨盤底成形術(肛門挙筋縫合術) 4.膀胱腟間子宮挿置術 5.中央腟閉鎖術 6.付帯的手術  (1)子宮前転固定術  (2)子宮頸・腟部切断術 以下これらの手術の主要なものについて,解剖学的な解説と手技のポイントを述べる。

Cotte手術

著者: 杉本修

ページ範囲:P.994 - P.995

 仙骨前神経叢切除術(presacral neurectomy)はJaboulay (1898)により最初に試みられたが,Cotte (1938)が300例におよぶ月経困難症に本手術を行なつて,298例に著しく効果を得ることができたと報告して以来,一般に普及してCotte手術と呼ばれている。本法はそのほか結核による排尿痛や神経性排尿障害にも行なわれるようになつた。

ダグラス窩穿刺ならびに切開法

著者: 岩崎寛和

ページ範囲:P.996 - P.997

ダグラス窩穿刺のポイント
 ダグラス窩穿刺のコツを説く人は多い。それぞれ傾聴に値するものであるが,そのすべてを述べることは不可能なので,著者が特に心掛けているポイントに絞つて記すことにする。

尿道の手術

著者: 高木繁夫

ページ範囲:P.998 - P.999

 女子尿道は膀胱頸部から発し恥骨結合と腟前壁の間を下行し腟前庭中央部に開口する。すなわち,その2/3以上は腟前壁中に存在し,恥骨結合までやや上方に,その後は下方に向けて走行する約4cmの管口であり,通常は閉鎖している。尿道は図に示すごとく輪状層より分かれて内外縦走筋により包まれ,尿生殖隔膜部と外尿道口部でもつとも狭くなるが,その内径は9〜10mmに拡大が可能である。そしてこの外尿道口部の左右にはスキーン腺とよばれる一対の盲管が存在する。
 血管系は下膀胱動脈,腟動脈と内陰部動脈よりの血流をうけて尿道海綿体を形成し,膀胱腟静脈叢,陰部静脈叢に集まる。神経系は交感,副交感ならびに随意神経などの協調支配をうけているとされるが,その詳細については成書を参照されたい。

円靱帯静脈瘤の手術

著者: 前田一雄

ページ範囲:P.1000 - P.1001

 妊婦,とくに初妊婦で鼠径部の腫瘍形成を訴え,外鼠径ヘルニアと誤りやすい疾患に円靱帯静脈瘤がある。しばしばヘルニアとして外科手術の対象となり,また静脈瘤と診断がついても疼痛などのために手術が必要なこともあつて,婦人科,産科および外科の各領域と関連して問題となる疾患である。
 円靱帯静脈瘤は鼠径部,外鼠径輪開口付近で円靱帯付着部に生じ,円靱帯の静脈すなわち卵巣静脈の分枝,腹壁静脈の円靱帯との連絡枝および付近の外陰部静脈の一部によつて形成される。鼠径部に腫瘤を生じることが特徴的であるが,開腹してみても腹腔内の円靱帯に著明な静脈瘤形成は認められない2)

VI.手術手技--産科

初期人工妊娠中絶術

著者: 川島吉良

ページ範囲:P.1004 - P.1005

 産婦人科日常診療においてもつとも身近な手術の一つである初期人工妊娠中絶術は優生保護法の定めに従つて行なわれることは申すまでもないが,他の手術とまつたく異なる点はこの手術が視野も狭く触覚のみに頼る子宮内操作で,いわば一種の盲目手術であることである。ここにこの手術が種々の危険性を孕むわけで,本手術には特に慎重さが要求される。にもかかわらず本手術が患者の求めるままに外来で安易に行なわれたり,偶発事故や医療紛争に発展するケースが絶えない。
 ここではもつとも普及している人工妊娠中絶法実施上の要点を述べてみたい。

中期人工妊娠中絶術

著者: 中嶋晃

ページ範囲:P.1006 - P.1007

 人工妊娠中絶は産婦人科医であれば誰でも行なわねばならぬことであり,各術者が手馴れた自分の方法を持つている。しかしこの手術は,簡単に見えても,危険を内蔵することはよく知られており,安易に事を運ぶわけにはいかない。いずれの手術でもそうであるごとく,中期妊娠中絶術でも,術前に患者の全身状態を知つておかねばならない。多くの臨床検査を無差別に行なう必要はもとよりないが,問診により既往歴,現症の有無をまず確認する。次に末梢血,尿検査,血圧測定などごく一般的な検査を行なう。現症があれば詳しい検査を加えるのはいうまでもない。
 次に大切なことは術前の精密な内診である。妊娠子宮の大きさ,屈,傾,形状,外子宮口の形態などが十分把握されていなくてはならない。さもないと双角子宮の妊娠側を誤つたり,器械挿入の方向を誤つて穿孔を起こしたり,無理な器具の挿入をして頸管裂傷をきたしたりする。

子宮内容除去術

著者: 大村清

ページ範囲:P.1008 - P.1009

前提条件
 1.手さぐり手術
 人工妊娠中絶,流産,あるいは分娩後などに行なわれる子宮内容除去術は他の手術とは異なるblind operationであり,事故の素地を多く含んでいる。この認識が安全な手術の基礎となる。

頸管縫縮術

著者: 斉藤幹

ページ範囲:P.1010 - P.1011

 頸管不全症(頸管無力症)に原因する妊娠中期の習慣流産に対し,外科的に頸管を縫縮する手術が優れた効果を示すことはすでに明らかである。その術式はそれぞれの創始者の名をとりShirodkar(シュロッカー),McDonald (マクドナルド)法などと呼ばれていることも周知のとおりである。
 これら頸管縫縮術の適応,注意事項,手術手技のポイントおよび禁忌について,以下順を追つて説明を加えることとする。

胞状奇胎の手術

著者: 相馬広明

ページ範囲:P.1012 - P.1013

 胞状奇胎の診断が下されると,奇胎内容を早急に除去しなければならないが,中には胞状奇胎の確診のつかないまま,不全流産などの診断で子宮内容除去術を行ない,内容物に奇胎嚢胞を発見して始めて胞状奇胎と診断する場合もある。ことに胞状奇胎患者は妊娠中毒症症状を呈することが多いので,胞状奇胎の除去手術に当つては,その点の留意が肝心であるが,いずれの場合にも奇胎除去後の引続いての術後管理が大切であることはいうまでもない。

腹式帝王切開術

著者: 久靖男 ,   倉智敬一

ページ範囲:P.1014 - P.1015

 腹式帝王切開術には経腹膜帝王切開術と腹膜外帝王切開術とがあり,前者はさらに体部縦切開術と頸部横切開術とに分かたれるが,ここではもつともよく施行されている経腹膜・頸部横切開術についてわれわれが日常行なつている方法を項目を追つて簡単に要点を示してみたい。

腟式帝王切開術

著者: 辻啓

ページ範囲:P.1016 - P.1017

 腟式帝王切開術について詳しくは筆者のすでに発表した2,3の論文1〜3)を参照されたいが,主として妊娠中期における中絶や子宮内胎児死亡の場合に,経腟的に子宮下部(峡部)を切開して急速に胎児を娩出させる手術である。

卵管妊娠の手術

著者: 岡田弘二 ,   奥村次郎

ページ範囲:P.1018 - P.1019

 子宮外妊娠の中で卵管妊娠は95%以上ともつとも頻度が高いが,他の部位の子宮外妊娠に比して手術手技そのものはさほど困難なものではない。むしろ遅滞なく診断を下し,特にshock状態にある場合には輸血などの適切な処置を迅速に施して開復手術に至らせるまでの臨床手技上のプロセスの方が重要であることが多い。しかし,婦人科手術の中では特に手術手技上の迅速性が要求される救急性疾患であると同時に,未産婦に好発することが多いため妊孕性の保持という観点から手術手技上格別の配慮を要することなどの理由で,十分習熟しておくべき重要なる基本的婦人科臨床手技の一つである。
 診断法,shock対策,麻酔に関しては他書に譲り今回の目的である卵管妊娠の手術手技に関してわれわれの教室で日常行なう方法について述べる。

頸管妊娠の手術

著者: 仲野良介

ページ範囲:P.1020 - P.1021

 頸管妊娠はきわめて稀なものとされており,症例報告に接する機会も比較的少ない。Lucci(1961)1)は自験例1例の報告に際して,30例の症例報告を総説しているが,そのうち病理組織学的に頸管妊娠との診断が確立されているものは8例に過ぎず,他の22例はいわゆるprobable caseであり,臨床的所見から頸管妊娠と推測されているに過ぎない。その後,Jauchler and Baker(1970)2)が6例の診断確定例(proved case)と1例の疑診例(probable case)とを総説している。

腹腔妊娠の手術

著者: 鳥越正

ページ範囲:P.1022 - P.1023

 腹腔妊娠は子宮外妊娠の中できわめて稀なものではあるが,外妊の大部分を占める卵管妊娠のほとんどすべてが初期に中絶するのに対して,腹腔妊娠の多くは妊娠中期または末期まで持続し時には生児を得ることさえあり,そのほとんどは続発性腹腔妊娠とされている。
 すなわち卵が卵管膨大部で受精した後,卵管腹口により近い部位に着床しやがて流産または破裂により腹腔内に排出されるが,胎盤の一部は卵管壁から剥離せずそのまま発育を続け,さらに広靱帯,子宮後面,大網,腸管などに着床面を拡大して発生するものであり,多くは卵管妊娠の中絶症状が先行するといわれる。

骨盤位娩出術

著者: 小畑英介

ページ範囲:P.1024 - P.1025

 近時,骨盤位に対して無闇に腹式帝切を行なう傾向が一部にみられるが,産科学としては決して正しい進歩ではない。腹式帝切の頻度を最少限にして,しかも児の死亡率を頭位とまつたく同じにすることが産科学の理想である。われわれの病院の最近5年間の骨盤位分娩の統計では,骨盤位に対する帝切率は,あらゆる合併症(前置胎盤など)を含めて約7%であり,しかも児の周産期死亡率は頭位とまつたく同じであるという成績に到達した。
 骨盤位の場合,厳正にして的確な帝切の適応を前もつて決定することはきわめて重要なことであるが,ここではこの問題にはふれないで,現在筆者の行なつている骨盤位娩出術のポイントとコツについて述べたいと思う。

鉗子分娩術

著者: 鈴木雅洲

ページ範囲:P.1026 - P.1027

 鉗子分娩術の手技については,最近特別に進歩したというものはない。鉗子分娩術の手技の上達には,過去にたくさん出されている解説文を読むとともに,多数例を経験して熟練すること,上手な先輩医師の指導をうけることなどが大切である。鉗子分娩術は数多くある産科手術の中でも,もつとも重要な基本的手術の一つである。しかし,最近,鉗子分娩術を囲む周辺の事情ははなはだ変化した。手技上の熟達も重要であるが,これのみでなくこの周辺の問題についても,十分に気を使わなければならない。この問題は,時代の変化に伴つて起こつた要約と適応の変化ともいえる。高位鉗子は,現代では特別の場合の例外を除いて,産科手術としての意義を失つているので,省略する。

頭蓋切開術

著者: 福島穣

ページ範囲:P.1028 - P.1029

 産科管理が飛躍的に改善され,とりわけ帝王切開術の手法がほとんど完成の域に達した現在では胎児の容積を縮小し産道から牽引娩出させる破壊的手術(destructive operations)の実施頻度は激減した。難産に直面する医師は弧立無援のまま悪戦苦闘すべきではなく麻酔をはじめ各種救急応援体制を常時整備しておく必要がある。まして正常と推定される生存胎児に対し,このように残酷で危険な手段を性急に誤用することはもはや許されない。従来破壊的手術の適応とされた各項目も今や次のように再整理される。

Porro氏手術

著者: 礒島晋三

ページ範囲:P.1030 - P.1031

 ポロー氏手術(Porro's operation)とは,帝王切開後そのまま子宮腟上部切断術を施行するのを指して一般に用いられているが,これは誤つてPorroという名称が使用されているのであつて,帝切後子宮腟上部切断術と呼ぶのが正しい。本来Porroが行なつた手術は,妊娠子宮を胎児を出さずにそのまま腹腔外に出し,内子宮口付近で針金の輪索で頸部および子宮付属器を一括して徐々に締めつけて切断するに至るもので,腟部断端は腹腔外に出して下腹部切開創下端に露出したまま固定する力法であるが,感染をよく起こして治癒しがたく,死亡率が高いものであつた。現在,用いられている方法はPorroとはまつたく異なつた術式であり,かつ帝王切開による胎児娩出後子宮別除術を行なうという2点でPorro術式と呼ぶのは適切でないといわれている。

会陰切開術

著者: 桑原惣隆

ページ範囲:P.1032 - P.1033

 産科手術の中で会陰切開術はもつともよく行なわれるものであり,その目的とするところは会陰や腟壁裂傷の防止,児頭への圧力軽減,分娩第2期の短縮などである。したがつて,初産婦や経産婦でも外陰瘢痕のある場合,腟入口部強靱,未熟児,巨大児,切迫仮死,骨盤位などの胎位異常,恥骨弓横径の狭小,吸引分娩,鉗子分娩などに適応される。

乳腺炎の手術

著者: 泉雄勝

ページ範囲:P.1034 - P.1035

 急性乳腺炎は多くの場合,授乳期,とくに産褥期に多い。ことに初産婦の場合に多いが,その理由は,初産婦は乳管閉塞による乳汁うつ滞を起こしやすく,また乳頭部皮膚が脆弱で,乳児の吸収によりき裂や糜爛を生じやすく,これが細菌感染門戸となるためである。この他に処女や非授乳期の中・高年婦人で乳輪周辺に炎症,膿瘍を起こすことがあるが,これは乳腺実質でなく乳輪下のmontgomery腺の感染が原因と考えられる。

陥没乳頭の形成手術

著者: 泉雄勝

ページ範囲:P.1036 - P.1037

 陥没乳頭とは,乳頭が突出せずに逆に陥凹して,その凹窩内に乳管が開口した状態で,俗にいう"めくら乳"である。軽度のものは乳頭のマッサージ,牽引によつて一時的に突出可能であるので,妊娠中に十分これらの操作を行なつておけば,その後は乳児の吸着により授乳可能となる。しかし陥没乳頭は乳頭周辺皮下の炎症を起こしやすいので,その適切なる処置ならびに感染予防を考慮する必要があるが,このような感染を繰り返すもの,高度の本症では妊娠期に入る前に形成手術を必要とする。

腟・会陰裂傷の手術

著者: 福田透

ページ範囲:P.1038 - P.1040

 腟・会陰裂傷は産科臨床上もつともよく遭遇するものであり,特に初産婦や各種産科手術実施時にはいかに巧妙な分娩介助術(特に会陰保護法)を心がけても避けることのできない場合が多い。以下,腟・会陰裂傷(陳旧性は除く)の手術の2,3のキーポイントにつき略述する。

頸管裂傷の手術

著者: 山口龍二 ,   植田充治 ,   久間正幸 ,   新谷雅史 ,   野田恒夫

ページ範囲:P.1042 - P.1043

 頸管裂傷は日常臨床において,分娩後の異常出血として弛緩性出血とともにしばしば遭遇するものであり,その治療は止血という観点からだけでなく後に習慣性流産をきたすことのないように行なわなければならない。以下に治療のポイントについて略記する。

子宮破裂の手術

著者: 荒木日出之助

ページ範囲:P.1044 - P.1045

 分娩時の自然あるいは外傷性子宮破裂は施設分娩の増加と産科管理法の進歩により著しく減少したとはいえ,近年の帝王切開の普及は瘢痕破裂の機会をそれだけ増したともいえる。子宮破裂は自然破裂,外傷性破裂,瘢痕破裂,さらには完全破裂,不完全破裂,また破裂の部位,大きさなどによりその症状,予後もさまざまであろうが,一般に児の予後を不良にするばかりでなく,直接,母の生命を危険にする一刻を争う緊急疾患であるから,産科におけるもつとも重要なもののひとつであることは今さらいうまでもない。したがつて,症例に遭遇することは少なくとも,産科医は常に本症に対する診断的知識と手術手技のマスターを心掛けておかなければならない。

産科救急止血法

著者: 品川信良

ページ範囲:P.1046 - P.1047

 紙面の都合から,ここでは,分娩第3期ないしはその直後の出血についてだけ述べる。この時期の大出血には,①軟産道の裂傷によるもの,②胎盤の剥離障害によるもの,③胎盤の一部遺残によるもの,④いわゆる弛緩性後出血,⑤血腋凝固障害(の合併)によるもの,の5者を分けることができるが,これらのうちのどれによるものかを,とつさの間に見定めることが,いわば治療の第1歩である.そこで参考までに,病型鑑別上の要点を,次頁の表1にまとめてみた。

VII.手術手技--境界領域

尿管の手術

著者: 佐藤昭太郎

ページ範囲:P.1050 - P.1051

 産婦人科手術において特に尿管に操作を加える必要があるとすれば,損傷,尿瘻もしくは閉塞など何らかの障害が生じている事態が考えられ,ただ単に腎臓,尿管の摘除を行なうよりも,しばしばこれに補修を加えて腎機能を保存する方が望ましい。ここでは特に尿管の保存的手術のみを取り上げた。

膀胱の手術

著者: 佐藤昭太郎

ページ範囲:P.1052 - P.1053

膀胱の切開と縫合
 膀胱の切開は,普通前面で腹膜外的に行なわれるが,止むを得なければ腹膜内で開くことも可能である。カテーテルから空気または滅菌生食水を送入して膀胱を膨らませ,見当をつけながら,膀胱壁に2本の支持糸を掛け,その間を切開する。切開後改めて支持糸を全層に掛けなおしておくと,縫合の際に便利である。縦切開か,横切開かにあまりこだわる必要はない。次に行なわれる手術操作に応じて最適の切開線をとればよい。
 縫合には尿管と同様吸収可能な縫合材料が用いられる。膀胱は尿の通路であるとともに貯留器官でもあるため,尿漏れを防ぐため2層縫合が原則である。0ないし000の腸線(plain catgutまたはchromic catgut)もしくは00ないし0000のpolygly—colic acid糸(PGA糸, dexon糸)の全層縫合についで,もう1層の外層縫合を加える。術後は常に留置カテーテルを置いて膀胱内に尿が貯留しないようにする。このためしばしば持続吸引が用いられる。別に膀胱外に尿漏れに対処するドレーンを挿入しておくことを忘れてはならない。産婦人科手術中に膀胱が開かれた場合にも同様の処置をすれば,特に支障を生ずることはない。

虫垂切除術

著者: 信田重光

ページ範囲:P.1054 - P.1055

 婦人科医が虫垂切除術を行なう時は,おそらく①婦人科系疾患に急性虫垂炎が合併している時,②婦人科系疾患(特に右卵巣嚢腫頸捻転,または右卵管破裂など)と急性虫垂炎が鑑別困難であつた時,③妊娠中に急性虫垂炎が合併した場合,または,④他疾患で開腹手術を行なつた時に,患者の希望,または何らかの理由で虫垂切除を行なうことなどが考えられる。
 したがつて皮膚切開は前記3を除いては下腹部正中切開,または下腹部横切開の場合が多いであろう。本稿ではこれらのことを念頭において,一応,外科で行なつている虫垂切除術の手技について述べる。

腸の手術

著者: 信田重光

ページ範囲:P.1056 - P.1057

 婦人科系で腸の手術が行なわれる場合は,①婦人科系疾患(特に腫瘍)で腸に浸潤性または高度に癒着している場合,②婦人科系疾患の診断で開腹したら女性性器附近の腸の腫瘍(たとえば空腸平滑筋腫など)が存在していた場合などであろう。 この場合,多くは下腹部正中切開で開腹されていると考える。したがつてもし視野が十分に得られない時には,皮膚切開を,臍の左側をまわつて上腹部に延長して差支えない。
 腸の手術は数多くあるので,まず手術手技の基本的な注意から腸手術のアウトラインを述べる。

腹壁の瘻孔の手術

著者: 光野孝雄

ページ範囲:P.1058 - P.1059

 本来生体は,皮膚の欠損あるいは腹腔内に通ずる瘻孔ができても治癒を障害させるものが介在しなければ,自然に治る力をもつているので,それが難治性というのには何らかの原因があるはずである。その原因を探し,その原因に対して治療することが,瘻孔の治療に当つてもつとも重要なことである。

--------------------

「臨床婦人科産科」 第29巻 総目次

ページ範囲:P. - P.

基本情報

臨床婦人科産科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1294

印刷版ISSN 0386-9865

雑誌購入ページに移動

バックナンバー

76巻12号(2022年12月発行)

今月の臨床 帝王切開分娩のすべて―この1冊でわかるNew Normal Standard

76巻11号(2022年11月発行)

今月の臨床 生殖医療の安全性―どんなリスクと留意点があるのか?

76巻10号(2022年10月発行)

今月の臨床 女性医学から読み解くメタボリック症候群―専門医のための必須知識

76巻9号(2022年9月発行)

今月の臨床 胎児発育のすべて―FGRから巨大児まで

76巻8号(2022年8月発行)

今月の臨床 HPVワクチン勧奨再開―いま知りたいことのすべて

76巻7号(2022年7月発行)

今月の臨床 子宮内膜症の最新知識―この1冊で重要ポイントを網羅する

76巻6号(2022年6月発行)

今月の臨床 生殖医療・周産期にかかわる法と倫理―親子関係・医療制度・虐待をめぐって

76巻5号(2022年5月発行)

今月の臨床 妊娠時の栄養とマイナートラブル豆知識―妊娠生活を快適に過ごすアドバイス

76巻4号(2022年4月発行)

増刊号 最新の不妊診療がわかる!―生殖補助医療を中心とした新たな治療体系

76巻3号(2022年4月発行)

今月の臨床 がん遺伝子検査に基づく婦人科がん治療―最前線のレジメン選択法を理解する

76巻2号(2022年3月発行)

今月の臨床 妊娠初期の経過異常とその対処―流産・異所性妊娠・絨毛性疾患の診断と治療

76巻1号(2022年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 産婦人科医が知っておきたい臨床遺伝学のすべて

75巻12号(2021年12月発行)

今月の臨床 プレコンセプションケアにどう取り組むか―いつ,誰に,何をする?

75巻11号(2021年11月発行)

今月の臨床 月経異常に対するホルモン療法を極める!―最新エビデンスと処方の実際

75巻10号(2021年10月発行)

今月の臨床 産科手術を極める(Ⅱ)―分娩時・産褥期の処置・手術

75巻9号(2021年9月発行)

今月の臨床 産科手術を極める(Ⅰ)―妊娠中の処置・手術

75巻8号(2021年8月発行)

今月の臨床 エキスパートに聞く 耐性菌と院内感染―産婦人科医に必要な基礎知識

75巻7号(2021年7月発行)

今月の臨床 専攻医必携! 術中・術後トラブル対処法―予期せぬ合併症で慌てないために

75巻6号(2021年6月発行)

今月の臨床 大規模災害時の周産期医療―災害に負けない準備と対応

75巻5号(2021年5月発行)

今月の臨床 頸管熟化と子宮収縮の徹底理解!―安全な分娩誘発・計画分娩のために

75巻4号(2021年4月発行)

増刊号 産婦人科患者説明ガイド―納得・満足を引き出すために

75巻3号(2021年4月発行)

今月の臨床 女性のライフステージごとのホルモン療法―この1冊ですべてを網羅する

75巻2号(2021年3月発行)

今月の臨床 妊娠・分娩時の薬物治療―最新の使い方は? 留意点は?

75巻1号(2021年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 生殖医療の基礎知識アップデート―患者説明に役立つ最新エビデンス・最新データ

74巻12号(2020年12月発行)

今月の臨床 着床環境の改善はどこまで可能か?―エキスパートに聞く最新研究と具体的対処法

74巻11号(2020年11月発行)

今月の臨床 論文作成の戦略―アクセプトを勝ちとるために

74巻10号(2020年10月発行)

今月の臨床 胎盤・臍帯・羊水異常の徹底理解―病態から診断・治療まで

74巻9号(2020年9月発行)

今月の臨床 産婦人科医に最低限必要な正期産新生児管理の最新知識(Ⅱ)―母体合併症の影響は? 新生児スクリーニングはどうする?

74巻8号(2020年8月発行)

今月の臨床 産婦人科医に最低限必要な正期産新生児管理の最新知識(Ⅰ)―どんなときに小児科の応援を呼ぶ?

74巻7号(2020年7月発行)

今月の臨床 若年女性診療の「こんなとき」どうする?―多彩でデリケートな健康課題への処方箋

74巻6号(2020年6月発行)

今月の臨床 外来でみる子宮内膜症診療―患者特性に応じた管理・投薬のコツ

74巻5号(2020年5月発行)

今月の臨床 エコチル調査から見えてきた周産期の新たなリスク要因

74巻4号(2020年4月発行)

増刊号 産婦人科処方のすべて2020―症例に応じた実践マニュアル

74巻3号(2020年4月発行)

今月の臨床 徹底解説! 卵巣がんの最新治療―複雑化する治療を整理する

74巻2号(2020年3月発行)

今月の臨床 はじめての情報検索―知りたいことの探し方・最新データの活かし方

74巻1号(2020年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 周産期超音波検査バイブル―エキスパートに学ぶ技術と知識のエッセンス

73巻12号(2019年12月発行)

今月の臨床 産婦人科領域で話題の新技術―時代の潮流に乗り遅れないための羅針盤

73巻11号(2019年11月発行)

今月の臨床 基本手術手技の習得・指導ガイダンス―専攻医修了要件をどのように満たすか?〈特別付録web動画〉

73巻10号(2019年10月発行)

今月の臨床 進化する子宮筋腫診療―診断から最新治療・合併症まで

73巻9号(2019年9月発行)

今月の臨床 産科危機的出血のベストマネジメント―知っておくべき最新の対応策

73巻8号(2019年8月発行)

今月の臨床 産婦人科で漢方を使いこなす!―漢方診療の新しい潮流をふまえて

73巻7号(2019年7月発行)

今月の臨床 卵巣刺激・排卵誘発のすべて―どんな症例に,どのように行うのか

73巻6号(2019年6月発行)

今月の臨床 多胎管理のここがポイント―TTTSとその周辺

73巻5号(2019年5月発行)

今月の臨床 妊婦の腫瘍性疾患の管理―見つけたらどう対応するか

73巻4号(2019年4月発行)

増刊号 産婦人科救急・当直対応マニュアル

73巻3号(2019年4月発行)

今月の臨床 いまさら聞けない 体外受精法と胚培養の基礎知識

73巻2号(2019年3月発行)

今月の臨床 NIPT新時代の幕開け―検査の実際と将来展望

73巻1号(2019年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 エキスパートに学ぶ 女性骨盤底疾患のすべて

72巻12号(2018年12月発行)

今月の臨床 女性のアンチエイジング─老化のメカニズムから予防・対処法まで

72巻11号(2018年11月発行)

今月の臨床 男性不妊アップデート─ARTをする前に知っておきたい基礎知識

72巻10号(2018年10月発行)

今月の臨床 糖代謝異常合併妊娠のベストマネジメント─成因から管理法,母児の予後まで

72巻9号(2018年9月発行)

今月の臨床 症例検討会で突っ込まれないための“実践的”婦人科画像の読み方

72巻8号(2018年8月発行)

今月の臨床 スペシャリストに聞く 産婦人科でのアレルギー対応法

72巻7号(2018年7月発行)

今月の臨床 完全マスター! 妊娠高血圧症候群─PIHからHDPへ

72巻6号(2018年6月発行)

今月の臨床 がん免疫療法の新展開─「知らない」ではすまない今のトレンド

72巻5号(2018年5月発行)

今月の臨床 精子・卵子保存法の現在─「産む」選択肢をあきらめないために

72巻4号(2018年4月発行)

増刊号 産婦人科外来パーフェクトガイド─いまのトレンドを逃さずチェック!

72巻3号(2018年4月発行)

今月の臨床 ここが知りたい! 早産の予知・予防の最前線

72巻2号(2018年3月発行)

今月の臨床 ホルモン補充療法ベストプラクティス─いつから始める? いつまで続ける? 何に注意する?

72巻1号(2018年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 産婦人科感染症の診断・管理─その秘訣とピットフォール

71巻12号(2017年12月発行)

今月の臨床 あなたと患者を守る! 産婦人科診療に必要な法律・訴訟の知識

71巻11号(2017年11月発行)

今月の臨床 遺伝子診療の最前線─着床前,胎児から婦人科がんまで

71巻10号(2017年10月発行)

今月の臨床 最新! 婦人科がん薬物療法─化学療法薬から分子標的薬・免疫療法薬まで

71巻9号(2017年9月発行)

今月の臨床 着床不全・流産をいかに防ぐか─PGS時代の不妊・不育症診療ストラテジー

71巻8号(2017年8月発行)

今月の臨床 「産婦人科診療ガイドライン─産科編 2017」の新規項目と改正点

71巻7号(2017年7月発行)

今月の臨床 若年女性のスポーツ障害へのトータルヘルスケア─こんなときどうする?

71巻6号(2017年6月発行)

今月の臨床 周産期メンタルヘルスケアの最前線─ハイリスク妊産婦管理加算を見据えた対応をめざして

71巻5号(2017年5月発行)

今月の臨床 万能幹細胞・幹細胞とゲノム編集─再生医療の進歩が医療を変える

71巻4号(2017年4月発行)

増刊号 産婦人科画像診断トレーニング─この所見をどう読むか?

71巻3号(2017年4月発行)

今月の臨床 婦人科がん低侵襲治療の現状と展望〈特別付録web動画〉

71巻2号(2017年3月発行)

今月の臨床 産科麻酔パーフェクトガイド

71巻1号(2017年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 性ステロイドホルモン研究の最前線と臨床応用

69巻12号(2015年12月発行)

今月の臨床 婦人科がん診療を支えるトータルマネジメント─各領域のエキスパートに聞く

69巻11号(2015年11月発行)

今月の臨床 婦人科腹腔鏡手術の進歩と“落とし穴”

69巻10号(2015年10月発行)

今月の臨床 婦人科疾患の妊娠・産褥期マネジメント

69巻9号(2015年9月発行)

今月の臨床 がん妊孕性温存治療の適応と注意点─腫瘍学と生殖医学の接点

69巻8号(2015年8月発行)

今月の臨床 体外受精治療の行方─問題点と将来展望

69巻7号(2015年7月発行)

今月の臨床 専攻医必読─基礎から学ぶ周産期超音波診断のポイント

69巻6号(2015年6月発行)

今月の臨床 産婦人科医必読─乳がん予防と検診Up to date

69巻5号(2015年5月発行)

今月の臨床 月経異常・不妊症の診断力を磨く

69巻4号(2015年4月発行)

増刊号 妊婦健診のすべて─週数別・大事なことを見逃さないためのチェックポイント

69巻3号(2015年4月発行)

今月の臨床 早産の予知・予防の新たな展開

69巻2号(2015年3月発行)

今月の臨床 総合診療における産婦人科医の役割─あらゆるライフステージにある女性へのヘルスケア

69巻1号(2015年1月発行)

今月の臨床 ゲノム時代の婦人科がん診療を展望する─がんの個性に応じたpersonalizationへの道

icon up
あなたは医療従事者ですか?