icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科29巻12号

1975年12月発行

文献概要

特集 産婦人科手術のポイント III.麻酔と輸液・輸血

麻酔時偶発症の救急処置

著者: 岩井誠三1

所属機関: 1神戸大麻酔科

ページ範囲:P.906 - P.907

文献購入ページに移動
 麻酔偶発症とよばれるものには麻酔方法,麻酔剤などによつて種々のものが発生しうるがもつとも重大なものは死亡である。麻酔に関する一般的知識が普及した現在では麻酔による直接死亡は著しく減少して安全性は向上したといえる。しかし,一方では安全性がたかまつたためにかえつて安易にこれを行ない,思わぬ偶発症に遭遇することも決して少なくない。麻酔剤に対する反応性は個々の症例により異なることがあり,とくに対象となる個体に併存疾患の存在する場合には通常と異なる変化をあらわすことは当然で,手術術式によつて画一的な方法を行なうことは決して安全とはいえず,患者の全身状態に見合つたもつとも安全な方法を選ぶことが麻酔選択の基本である。しかし,現状においてはすべての麻酔偶発症を予測することは困難であり,それぞれの麻酔時に発生しうる偶発症のうち重大な結果を招く可能性のあるものにつき,その対策を述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?