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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科29巻12号

1975年12月発行

特集 産婦人科手術のポイント

IV.手術の適応と術式の選択

性器脱垂のとり扱い方

著者: 遠藤幸三1

所属機関: 1金沢赤十字病院

ページ範囲:P.926 - P.927

文献概要

 性器脱垂のうち,子宮の脱垂がその主要なものであるが,子宮に限らず腟腔に面している他の器管も脱垂するのでこの名称がある。
 図は脱垂する臓器と,それぞれを下から支えている結合織を示している。脱垂するものは,子宮,尿道,膀胱,ダグラス窩,直腸である。それぞれ子宮脱,膀胱脱などというが,ググラス窩の場合は小腸脱(enterocele)と通称されている。正確にはダグラス窩ヘルニアである。性器脱の成因は各部分を支持する結合織が弛緩して支持力が弱化することにあるというのが,私の年来の考え方である。骨盤内の臓器の間の間隙を埋めている結合織をendopelvic fascia (骨盤内筋膜)といい,臓器を定位置から動かないように固定している。全身すべての臓器の周囲に結合織があり,その薄弱な人は臓器の下垂を起こす。子宮脱患者を問診すると,胃下垂や遊走腎のある人が多い。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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