icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科29巻12号

1975年12月発行

文献概要

特集 産婦人科手術のポイント V.手術手技--婦人科

Emmet手術

著者: 福島務1

所属機関: 1福島県立医科大

ページ範囲:P.960 - P.961

文献購入ページに移動
頸管縫合術(Emmet手術)
 Emmetにより記載された陣旧性頸管裂傷の形成術である。今日では,稀に流早産の原因が頸管裂傷と思われるものに峡部縫縮術とともに施行されることがあるのみで,もはや,歴史的な意義しかないといつてよかろう。それは現在の陣旧性頸管裂傷の治療法は焼灼,円錐切除,頸部切断術などによつて,完全にとつて代られたからである。
 陣旧性頸管裂傷は分娩時頸管裂傷の縫合不全,あるいは,縫合せず放置された場合に生ずるが,頸管の瘢痕化,外翻とビラン,時には頸管の真一文字の開大がみられ,頸部は不整形に膨隆する。頸管粘液の増量と感染があるので帯下を主訴とし,また習慣性晩期流産,早産の原因と考えられている。しかし,帯下に対しては,腟洗,あるいは焼灼,頸管部も含む円錐切除がより有効で,流早産予防には簡単な,かつ分娩に支障のないような縫縮術が汎用され,この手術は意味を失いつつある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?