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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科29巻12号

1975年12月発行

特集 産婦人科手術のポイント

V.手術手技--婦人科

靱帯内卵巣嚢腫の手術

著者: 西田悦郎1

所属機関: 1金沢大

ページ範囲:P.968 - P.969

文献概要

 (広)靱帯内卵巣嚢腫摘除Removal of intraliga—mentous ovarian cyst;Exstirpation der intraliga—mentären Zysteの実地面で注意しなければならない点は次の諸点である。
 ①尿管損傷:尿管走行が変移し,他の索状組織のごとくにみえることがある。時として重複尿管のこともある。 ②出血:嚢腫底而剥離時,骨盤壁深部血管(とくに静脈)を損傷せぬよう注意する。卵巣自体に出入する血管の処理は一般に容易であるが,症例によつては慎重を要するものがある。 ③腫瘍組織遺残:手術が混乱して一部腫瘍組織が遺残すれば嚢腫は再発する。とくに偽ムチン性嚢腫では腹膜偽粘液腫Pseudomyxoma peritoneiを続発し死に至る危険性も生ずる。 ④腹膜縫合:一般に広い腹膜欠損部が残るので腹膜縫合を確実にするよう症例に応じ種々工夫をする。 ⑤腸管損傷:腫瘍が良性の場合は腸管損傷は一般にないが,もし起こつた場合は,キチンとした腸壁縫合または腸管切除吻合を行なう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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