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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科29巻12号

1975年12月発行

特集 産婦人科手術のポイント

V.手術手技--婦人科

バルトリン嚢胞手術

著者: 石原力1

所属機関: 1虎の門病院

ページ範囲:P.988 - P.989

文献概要

 バルトリン嚢胞の療法としては,1)内容圧出術, 2)穿刺(排液)術,3)切開(排液)術,4)造袋術,5)摘出術の5種類があるが,1)から3)までは,永続的治癒が不確実で,5)の摘出術は従来一般に行なわれてきたが,4)の造袋術が出現してからは,次第にその座をゆずりつつある現況である。
 その理由として, ①造袋術はきわめて簡単で,わずか数分で終るのに対し,摘出術はかなり長時間にわたるものがあること, ②造袋術は安全であるのに対し,摘出術では近傍の静脈叢(前庭球)を傷害して容易に止血しがたい大出血を起こすことがあり,また大きく発育した嚢胞では,後方が直腸に近いので直腸への穿孔もありうることなどがあるほか, ③造袋術はバルトリン腺本来の機能の維持,回復をはかる点生理的であるが,摘出術では腺の欠如をもたらすので非生理的であることも考えられる。そこでここでは造袋術(marsupialization)について述べることにしたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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