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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科29巻12号

1975年12月発行

特集 産婦人科手術のポイント

VII.手術手技--境界領域

膀胱の手術

著者: 佐藤昭太郎1

所属機関: 1新潟大泌尿器科

ページ範囲:P.1052 - P.1053

文献概要

膀胱の切開と縫合
 膀胱の切開は,普通前面で腹膜外的に行なわれるが,止むを得なければ腹膜内で開くことも可能である。カテーテルから空気または滅菌生食水を送入して膀胱を膨らませ,見当をつけながら,膀胱壁に2本の支持糸を掛け,その間を切開する。切開後改めて支持糸を全層に掛けなおしておくと,縫合の際に便利である。縦切開か,横切開かにあまりこだわる必要はない。次に行なわれる手術操作に応じて最適の切開線をとればよい。
 縫合には尿管と同様吸収可能な縫合材料が用いられる。膀胱は尿の通路であるとともに貯留器官でもあるため,尿漏れを防ぐため2層縫合が原則である。0ないし000の腸線(plain catgutまたはchromic catgut)もしくは00ないし0000のpolygly—colic acid糸(PGA糸, dexon糸)の全層縫合についで,もう1層の外層縫合を加える。術後は常に留置カテーテルを置いて膀胱内に尿が貯留しないようにする。このためしばしば持続吸引が用いられる。別に膀胱外に尿漏れに対処するドレーンを挿入しておくことを忘れてはならない。産婦人科手術中に膀胱が開かれた場合にも同様の処置をすれば,特に支障を生ずることはない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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